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鋼の心 ~Eisen Herz~ 第21話:夜明けの翼 「ほほぅ、VR(バーチャル)は初めてなのだが表とあんまし変わんないのな~」 「僕は起動してからの一週間で、50時間は篭ってました」 はしゃぐマヤアのすぐ隣、感情の無い声で呟くセタ坊。 少し目がウツロで、虚空を見詰めている。 「……ますたー、止めて下さい、止めて下さい。……3時間以内に命中率100%にしないと尻尾引っこ抜くとか、マジ外道です」 「んゆ、セタ坊?」 「ぷち達も恐がってます、もう出来ません分りませんゴメンなさい許してください、わふぅ~っ!?」 「……むにに、セタ坊が壊けた」 『ふふ…。懐かしい思い出ね、もうあれから3ヶ月も経ったなんて……』 『いや。普通に神姫虐待でしょ、こういうの』 『雅さんの愛情は祐一君以外にはネジくれてますからねぇ、ははは』 『……ははは。じゃねぇよ』 「ダメです、この的動いてます、なのに外しちゃダメとか無理です、出来ません、嗚呼止めて、一発外すごとに尻尾1ミリ切るとか酷すぎです、そんな、三つ編みとか信じられません、尻尾三つ編みにされたらボクの人生お終いです、一生三つ編みされたミットモナイ尻尾でわふわふ逝ってるだけの駄犬ですか、ゴメンなさい、ヘタレでゴメンなさい、息しててゴメンなさい、存在しててゴメンなさい、ウマレテキテゴメンなさい……」 しゃがみ込んでぶつぶつ呟くセタに、さすがに浅葱も顔を顰める。 『……雅、アンタ本気で犯罪よ、こういうの……』 『愛の鞭よ』 『死をも厭わない鞭に、愛の名を関するのは如何なものかと……』 『ほ、ほら。獅子は我が子を千尋の谷に叩き落すって言うじゃない、そういうものよ。……多分』 『……多分、ってあんたね……』 『千尋の谷に突き落とした挙句に、上から煮えたぎった油を注ぎこむような厳しさですねぇ……』 「あー、よく分からんが―――」 人間同士の会話に加わるマヤア。 「―――要するに、セタ坊は雅んにメチャクチャ愛されてると?」 『よし、バカネコ良いこと言った!!』 「何処をどう聞けばそういう結論になるんですか~!?」 自閉症モードに移行しつつあったセタ坊は、マヤアの一言を機に図らずも復活を遂げた。 「え~っと、皆さんそろそろ宜しいですかぁ~?」 マヤアとセタの間に、デフォルメされたフォートブラッグが出現する。 「おおー、デルタちん。何時もよりも少しちっこくなったか?」 「……この端末CGは極小サイズだと思うのですが……」 「まぁ、そんな小さな事はどうでも良い―――」 『誰が上手い事言えと……』 「―――そんな事より敵は何処だ?」 「もうじき出現します」 『今、そちらに転送しました。すぐに現れますよ、戦闘準備を!!』 村上の声と共に、VRフィールドに歪みが生じてゆく。 「……所で。今更なんですが、『敵』って何なんですか? コンピュータウイルスとか?」 『いえ、このパターンは恐らく……』 「多分、武装神姫じゃん? データだけ転送してきたんじゃねーの?」 マヤアの予測が正解であることは、その次の瞬間に証明された。 『やはり、神姫……。それに、この形状は……』 VR空間をモニターする画面に映る姿はまぎれも無く武装神姫のそれ。 そして、機種不明でありながらも、ある意味雅たちにとっては馴染みの深い黒衣。 『……天海の幽霊……。土方真紀の武装神姫ですか……』 双刀と翼。仮面と黒衣を身に纏い、漆黒の神姫が降り立った。 ◆ 「……とりあえず、分った事が三つある」 「聞きましょう」 トドメは何時でも刺せる。 それ故に焔星はアイゼンの舌戦に付き合うことにした。 「……まずはお前の弱点……」 「……」 アイゼンが指差すのは、焔星に撫でられている二機のぷち。 「……そのぷち達は、性能の代償に稼働時間が弱点。……どちらも数分程度で活動限界になるでしょう?」 「そうでしょうか。……既にこの子達が参戦して10分は経っていると思いますが?」 焔星の指摘にアイゼンは頷く。 「……そう、だから補給が必要」 「そんな暇が、何時あったと?」 「……今」 言い切ったアイゼンの指先に、ぷちを撫でる焔星の手。 「……そうやって触る事で、お前はぷちに補給をしている……」 『どんな神姫だって、クレイドルとの接触で給電を受けるんだ。……その逆に、接触で電力を送るのは造作も無い事』 「なぜ、……そう思ったのですか?」 「……時々戦闘を中断してぷちを撫でてたし、さっきは後ろの砲撃型をわざわざ前線に出してまでボードアタックをしてきた。……そんなに効果的でも無い攻撃だったのに……」 『……つまり、あのボードアタックには攻撃以外の何か別の目的があったと言う事になる。……例えば、補給とか……』 「……ふむ」 『……そう考えればそのぷちの性能にも納得がいく。それだけの装備を運用するのにも拘らず、ジェネレーターを搭載せずにバッテリー駆動だけで稼動させていた。……だから、それだけの性能を詰め込めるわけだ』 「……なるほど、お見事です。……では、二つ目をお聞きしましょう」 「……お前の奥の手。……出し惜しみなんかしないで、さっさと“真鬼王”を出せば良い」 「……………………」 流石に絶句する焔星。 装備構成だけで奥の手まで暴かれるとは予測していなかった。 「見抜いたのは流石ですが……、今の貴女を倒すのに、わざわざ切り札を切る必要があると思いますか?」 「……それじゃあ、三つ目。……“真鬼王”を使っても、使わなくても、この勝負は私の勝ち、だ!!」 言って横跳びに距離を離すアイゼン。 同時にハンドガンの連射が焔星を襲うが、彼女はそれを難なくシールドで弾く。 「それが最後の武器ですか。……それこそ豆鉄砲と言うもの、私には通用しない!!」 反撃のプロトン砲は、アイゼンのハンドガンとは比べ物にもならない威力を持つ。 しかし、アイゼンもそれは承知。打ち合いを早々に切り上げ、回避に徹して距離を取る。 「逃す訳無いでしょう!?」 「……もちろん」 アイゼンは逃げ込むようにビル街へと移動する。 目的は焔星のセンサーに死角を作ること。 追われているアイゼン自身がそこに逃げ込むのは不可能かもしれないが、ノーマークのサポートメカがそこを通って接近する事ならば容易い。 「ちょこまかと逃げるなど、らしくない戦法ですね。……チーグルを失った時に貴女の敗北は決まったのです。大人しく負けを認めなさい!!」 「……そうでもない。……間に合った」 「?」 訝しむ焔星には、ビルの影から低空飛行でアイゼンに近付くそれが見えていない。 「……フランカー!!」 「ちっ!!」 猶予がないと気付いた焔星がアイゼンに向けプロトン砲を叩き込む。 閃光と轟音。 そして衝撃波。 この距離ならば、外した所で至近着弾は免れない。 今のアイゼンの機動性では、爆発範囲からは逃げ切れまい。 (……これで終わりですか。少々呆気無いような気もしますが……) そして、吹き込む疾風が爆風吹き散らす。 「―――!? 何!?」 爆煙が晴れ、プロトン砲の着弾痕が露になるが、その周囲の何処にも倒れたアイゼンの姿は無い。 「撃墜カウントも入っていない!?」 それはつまり、未だアイゼンが健在である証左。 「しかし、何処へ消えた!? 一番近いビルでも走って逃げ込むには時間が足りない筈なのに!?」 「……上」 「―――!?」 真上からした声に顔を向ける焔星。 そこに、吹き込んできた疾風の源。鳥に乗って空を舞うアイゼンが居た。 ◆ 「……」 声も無くたたずむセタ。 マヤアと組んでの2対1の戦闘ではあるが、セタに出来るのはただ見守る事だけだった。 セタには手が出せぬほどに、マヤアも黒衣の幽霊も速い。 打ち込んだ吠莱を魔弾で操り、必中を狙った直後。砲弾そのものを両断し、幽霊はマヤアとの高速打撃戦に突入した。 双方両手に刃を持ち、間断の間も無く打ち付け合う。 隙を狙って蹴りの応酬が行われ、突きと払いは一動作になって相手を追い詰める。 しかし、両者の力はほぼ互角。 目まぐるしく位置を変え、左右と上下を入れ替えながら剣戟の音を響かせた。 「ネコネコネコネコネコッ!!」 マヤアの振るったブレードを幽霊が刃で受け流し、その動作がそのままマヤアの首を狙う一撃に切り替わる。 マヤアが蹴りで肘を狙い、その一撃の阻止を試みれば、幽霊はもう一方の刃でマヤアの脚そのものを狙う。 レールガンがその刃と交錯する軌道に打ち出され、幽霊はマヤアを蹴って距離を僅かに離して仕切りなおし。 このような刹那の攻防が数秒程度の間に10度以上繰り返され、その位置は数十メートルの単位で瞬時に移動する。 飛び交う銃弾すらももどかしい高速戦闘において、最早セタの出る幕は何処にも無い。 「……こ、これ程とは……」 「うん、すごいよね幽霊……」 「……むしろ、マヤアさんに驚きなのですよ。……強いとは思っていましたが、これ程までとは……」 デルタのセリフ、5秒強の間に響いた剣戟は22回。 これ程の反応速度と、それを実行に移せるスピード。 手の届く範囲に入ってしまえばセタ如きでは話にもなるまい。 かと言って、精密砲撃だろうが誘導砲撃だろうが、まともに当たるとも思えない。 神姫としての実力が、ケタどころか次元単位で違っている。 そして、そんなマヤアと互角に渡り合う以上、幽霊の実力もそういうレベル、と言う事になる。 「……なるほど、誰も勝てない訳ですよ……」 デルタの声を、剣戟が上塗りしてゆく。 もはや、する事も見出せず、セタとデルタはただその戦いを見守るだけだった。 ◆ 「プレステイル!? ……そういう事か」 武装を失った筈のアイゼンの自信。 それが、もう一つ装備を持ち込んでいた事に由来するものだと、ようやく焔星も気付く。 「しかし、大勢は既に決しています!! ここで追加戦力など無意味にも程がある!!」 「……そうでもない。……プロトン砲の特性は、対空射撃に不向き」 「……っ」 確かに、着弾して爆発するエネルギー弾を撃ち出す以上、敵以外に接触物の無い対空射撃において、プロトン砲は直撃以外完全に無駄弾になる。 (光阴の速度では追いつけないし、闇阳の対空射撃だけでは捉えきれない……。) 先ほどまでのパワー重視の戦闘スタイルとは一転し、高い回避力での撹乱に入ったアイゼンは、ぷちの性能だけでは追い詰められない。 元よりぷちとの連携は重量級神姫との戦いに特化した戦法で、このような高機動型の神姫には対応していなかった。 (……その為の“真鬼王”ですが……、さて、それまで読んで居るのかどうか……) 祐一の読みどおり、焔星は確かに真鬼王モードを温存している。 だがしかし、それはアイゼンに対して使う必要が無いのではなく、用途の問題として不適切と判断したからに他ならない。 通常の真鬼王のイメージとは真逆に、焔星の真鬼王モードは高速戦闘に対応する為の形態だったからだ。 (……つまり、今が使い時ですが……) 何となく、祐一の掌で踊っているような錯覚に捕らわれ、焔星は苦笑する。 (……普通ならまず無い、一人の相手との戦いで全ての要素を使用する状況……。……私は彼にハメられて居るのかもしれませんね……) だがそれもよし。 元より主の望んだ戦いだ。 焔星は己が元にぷち達を呼び寄せる。 「……お望みどおり、見せてあげましょう。……真鬼王を!!」 焔星の宣言と共にぷち達がフォーメーションに付く。 分離、変形を経て焔星に組み付き、巨躯を構成するまで僅かに数瞬。 「三体合并……!! 真鬼王・零(ツェンカイワン・レン)!!」 二体のぷちとの合体により、焔星は真鬼王をその身に纏った。 特筆すべきはやや小柄である事のみで、その概要は通常の真鬼王と変わることは無い。 プロトン砲とデスサイズがシェルエットを崩してはいるが、むしろ違いはその内面にこそある。 「―――加速!!」 光阴を浮遊させるための揚力場と、闇阳を飛行させるための推進力。 その双方が焔星の背負ったジェネレーターと直結され、制限を解き放たれる。 焔星の真鬼王=零は、その名の通り一秒にも満たない時間で彼我の距離を“0”にした。 「斩(ツァン)!!」 「…ん」 アイゼンがハンドガンのトリガーを引いたのは、その一瞬だけ前の事である。 結果として焔星は、自ら虚空に放たれた銃弾に当たりに行く形になるが、アイゼンの行動は、焔星の零の性能を正確に予測したからこそ。 逆に言えば、零が動き出してからではアイゼンに反応する術は無い。 『行くぞ、アイゼン。アサルトフォームだ』 「……ん」 短く頷き、改造型のプレステイル=フランカー/フライトフォームを上昇させる。 限界高度に達しこちらも分離、変形を経てアイゼン本体に合体。 零と比しても小柄な人型を形成する。 ベースとなったエウクランテに酷似したシェルエットだが、翼は細く長く、腰の後ろには双発式の斥力場エンジンが唸りを上げ、その身体を宙に留めていた。 「……全システム高速戦闘モードに移行」 ≪Assault form wake up≫ フランカーに組み込まれたサポートAIのインフォメーションが響き、戦闘形態であるアサルトフォームへの移行完了を告げた。 変形に伴い、フライトフォームで中枢を成していたエンジンユニットは背部に回され、アイゼンはそこから小さな基部を一つ分離させ右手に収めると、主である祐一へと問う。 「……マスター、指示を」 『不慣れな高速戦だがやれるね?』 「……ん」 『それじゃあ全力で行くぞ。……斬り捨てろ、アイゼン!!』 「……んっ!! ……アクセラレータ、起動!!」 ≪system“Accelerator”starting up≫ 祐一の指示を受けて、弾かれるように突進するアイゼン。 その速さは、疾風のそれ。 もはや、ストラーフとは思えない速度を以って焔星に迫る。 「……ッ!?」 瞬時に眼前まで近付かれ、勢いに任せた蹴りを浴びる焔星。 間髪居れずに回し蹴りから後ろ回し蹴りへと繋ぎ、零の体躯が大きく吹き飛ぶ。 「速い!?」 驚愕する間もあればこそ、その一瞬で離れた間合いはアイゼンの突進で即座に詰められる。 「―――なッ!!?」 そして青い光の奔流が閃き、手にした大鎌が寸断された。 「ば、……馬鹿な……!?」 ≪“RayBlade”Disposition≫ アイゼンが手にしたモノは光の剣。 他ならぬ、カトレアと同じ超高出力型のレイブレードであった。 ◆ 「……なんと、愚策」 彼女は、それを見て詰まらなそうに呟いた。 ◆ 投刃と衝撃波、狙撃銃とリニアガンの中距離応酬から一転して、両者肉薄しての高速打撃戦。 目まぐるしく位置を変えながらの高速戦闘も終わりが近付いてきたようだ。 マヤアはとっくにライフルを捨ててしまっているし、黒衣の幽霊も新たに投刃を繰り出す気配は無い。 時折、開いた間合いを惜しむように翼からの衝撃波や背部ユニットのリニアガンを打ち合うが、即座に距離は詰まり打撃の応酬に戻る。 互いに消耗が進み、飛び道具が心許なくなってきたのだろう。 「……だからと言って、何が出来る訳でもないのですよ……」 「わふわふ」 戦場の端っこでお茶を啜るデルタと、尻尾のブラッシング(VR空間なので実は無意味)にいそしむセタ坊。 一応今でもマヤアをシステム的にバックアップしているデルタはともかく、セタに到っては本気で何しに来たのやらと言う有様だが、相手がアレでは仕方もあるまい。 「にゃーーーっ!!」 マヤア渾身の一撃が、幽霊の刀一つを途中からへし折った。 「……無為」 折れた刃を投げ捨て、幽霊は残る一刀でマヤアのフォビドゥンブレードを叩き落す。 「ニャ!?」 武装の喪失に伴う戦術パターン切り替えにより生じた微かな隙。 本来であればどんな神姫やオーナーでも無視する程極微の間断ではあるが、事ここに到ってマヤアと幽霊にとっては隙と呼ぶべく数少ない瞬間であった。 「……絶!!」 真横に振るわれた刀。 それが狙いを違わずマヤアの胴を薙ぎ……。 すり抜けた。 「―――!?」 バラバラになって落ちてゆくツガルタイプのアーマー。 と、それらが弾かれたように集結し、ひとつの形状をなしてゆく。 「……レインディア、バスター……」 幽霊の呟きも終わらぬうちに、自由落下から明確に意図された加速で機首を起こして上昇を始める。 「……」 そして、あの一瞬の攻防で上空に逃れていたマヤアを乗せ、突撃を開始した……。 ◆ 近接用のメインウェポンであるデスサイズを失い、焔星は大きく後退して距離を取る。 「……っ、これほどまでに高出力のレーザーブレードだとは……」 恐らくはプレステイルの中枢を成すボレアスユニットから射撃機能をオミットし、ジェネレーターとしての機能に特化させて得た高出力を流用しているのだろうが、分かった所で防ぎ様など無い。 「―――ならば、寄せねば良いだけです!!」 脚部に固定されたハンドガンと肩部のキャノン砲が展開し、アイゼンとの空間に濃密な弾幕を形成する。 「装甲を捨て機動力を取ったのでしょうが、それならば逆に小口径弾一つが致命傷になります!!」 先ほど使用したときにはチーグルの装甲に阻まれ、碌なダメージにはならなかったが、この飛行可能なユニットに同様の防御力があるとは考えられない。 故に、この弾幕を回避してから、レーザーブレードの一撃を狙う為に突進をしてくる筈。 (そこをプロトン砲で打ち落とす) そう考える焔星の元へ、アイゼンはしかし、一直線に突っ込んできた。 「……まさか、この弾幕に耐えられるつもりですか!?」 『元々アイゼンに回避主体の戦法が不向きなのは重々承知』 今までは基本的に、重装甲による防御主体のディフェンスを重視してきたのだ。 それを今更回避力ですべて置き換えられるとは、祐一もアイゼンも思っていない。 故に。 「……バリアの一つ位は用意してある!!」 ≪Hadronic field≫ アイゼンの周囲を覆う、薄い光の球体。 微かに青く発光するそれに阻まれ、弾幕が弾かれてゆく。 「―――ならば、プロトン砲でっ!!」 『怯むな、アイゼン!! シールド集中!!』 「…んっ!!」 砲口から溢れ出した白い光の奔流は、しかし、アイゼンの掌の先に広がるディスク状のバリアに阻まれ四方八方へと逸れてゆく。 「貫けぇーーーっ!!」 「……負けないっ!!」 プロトン砲と斥力場シールドの均衡は数秒続き、途絶えた。 「そんな……。チャージ容量の限界? プロトン砲の全力照射に耐え切るなんて……」 「……言った筈。私はカトレアを倒しに来た。……お前如きに負けてなど居られない」 プロトン砲の閃光が途絶え、幾分濃さを増したシールド越しにアイゼンの姿が見える。 「……これで、終わりだ」 「―――!?」 背部から切り離したエンジンユニットに追加砲身を直結させた『砲撃モード』。 「―――消し飛べ……。『フェルミオン・ブレイカー』!!」 ≪Fermion Breaker≫ 砲口からプロトン砲以上の白光があふれ出すのを、焔星は呆然と眺めていた。 「―――ぁ」 そして。 閃光と轟音に全てを押し流され、焔星の意識は途絶えた。 ◆ ガチャン。と音を立てて、破損した砲身が切り離される。 『勝った、か』 アイゼンのステータスに追加された撃墜数1。 焔星を下した何よりの証拠だが、その実、二人が対カトレア用に取っておいた切り札をここで使用してしまったことは大きい。 限定的とは言えブーゲンビリアのレーザーに近い威力を持つ『フェルミオン・ブレイカー』も使用回数2発の内1発を使ってしまったし。 なによりこちらの切り札が『レイブレード』である事は、最早カトレアには隠しておけないだろう。 元より対四姉妹戦を前提に開発された【フランカー】は、四姉妹の特化能力に対抗できる事を目的としている。 カトレアの『レイブレード』と『バリア』。 アルストロメリアの『機動性』。 ストレリチアの『移動速度』。 そしてブーゲンビリアの『高出力レーザー』。 これらの能力全てに対抗する為に、【フランカー】には変形能力と強力なエンジンから発生する出力を利用したレーザーブレード、バリア、そして陽電子砲が搭載されている。 しかし、土方京子と祐一の技術力の差は明白で、汎用性を落して尚、純粋な性能で及んでいないのが現状だった。 故に、勝機は不意打ちによる短期決戦しか無い訳だが、焔星の登場によりその予定は水泡と帰し……。 『で。今までのバトルロイヤルに居なかった以上……』 祐一が見すえるアイゼンの視点の中央。 ≪Warning!! NeXT enemy Engaging≫ AIの警告が促すその先に……。 『……ここで出てくる訳だな、カトレア……』 ジュビジーの装備で武装したジルダリア。 土方京子の四姉妹が長女。 カトレアが、そこに居た。 ◆ 「……カトレア」 「お久しぶり、と言った方が良いでしょうか?」 「……」 残存神姫は残り5。 未だ脱出した神姫が居ない以上、この五人の中で最初に敗れたものが予選で敗退する事になる。 「貴女は危険だと判断を下し、あのマオチャオ、アーンヴァルと共に最優先の警戒対象としていたのですが―――」 言葉を切り、アイゼンを見下ろすカトレア。 「―――どうやら見込み違いだったようですね……」 「……っ!!」 カトレアの右手から伸びる赤い光剣。 「いくら私達のマネをしても、その程度の技術力で神姫の開発に携わったマスターを超えることなど不可能―――」 最早アイゼンを脅威とは見ないしていないのか、無造作に歩を進めてくる。 「―――ましてや。……その様に無理やり詰め込まれた装備ではバランスなど望むべくも無い」 互いの間合いギリギリでカトレアは足を止めた。 「それで私に勝つつもりだったとは、笑い話にもなりません」 対峙するアイゼンは、未だ光剣を発振させては居ない。 出力で劣るだけでなく、稼働時間に天地の隔たりがあるからだ。 今から展開しておけるほど、アイゼンのレーザーブレードには稼働時間の余裕が無い。 「……実際、ストラーフの装備の方がまだ勝ち目があったと思いますよ? ……そのような私に対して勝る部分が一つも無い装備で、本気で私に挑むつもりなのですか……?」 光剣を構え、体勢を落すカトレア。 同様に、アイゼンもまた迎撃の姿勢を取る。 「……正直、失望しました。……貴女とはここで終わりにしましょう」 真紅の閃光。 高速で振り下ろされた光剣を辛うじて受け止めるアイゼン。 レイブレード同士が干渉し合い、閃光と耳障りなノイズ音を撒き散らす。 「……何も、対策が無いわけじゃない!!」 ≪“RayBlade”Re-disposition≫ 膠着状態を打破するべく、アイゼンがもう一本レイブレードを取り出し起動。 二刀を交差させカトレアを押し返す。 「ふんっ、……それが対策と言うのなら、下らないにも程があります」 カトレアは何もしない。 ただ、そのまま力ずくでレイブレードを押し付けてくるだけだ。 「……っ!?」 しかし、ただそれだけの事でアイゼンのレイブレードは二本とも干渉波で機能不全を起こして途絶えがちになる。 『……大元の出力が違いすぎる……!! やはりこれだけでは無理か……』 「機動性や速度でもアルストロメリアやストレリチアに劣るのでしょう? 先ほどの火力もブーゲンビリアとは比べるべくも無い!!」 「…っ!!」 「ましてや、バリアやレイブレードの性能で私に挑むとは、愚かにも程がある!!」 膠着状態を維持するのに集中しているアイゼンの無防備な腹部をカトレアが大きく蹴り上げた。 「…かはっ!?」 蹴り飛ばされ、地面に叩きつけられたアイゼンに、悠然とカトレアが詰め寄ってゆく。 「……貴女なら、或いはマスターを止められるかとも思ったけれど……」 「くっ…、けふっ…!」 「……いえ。……元より望む事では、無いのでしたね……」 呟き、カトレアは光剣の切っ先をアイゼンに突きつける。 「……終わりです」 そして。 ◆ VR空間での決着が付いたのは、第四バトルロイヤルが終わるのとほぼ同時だった。 データ分解を起こし、消え往く幽霊の残滓。 仮面が消え、本体が消える一瞬のラグの中に、マヤアは幽霊の瞳を見た。 「……?」 そして、そのまま物言わず消滅する幽霊。 「……なあ、浅葱。あいつ死んだのか?」 『どうなの、雅?』 『どうなの、村上君?』 浅葱、雅を通じて村上まで上訴された質問に彼は静かに答える。 『いえ、コピーされた分身を倒しただけでしょう。神姫本体を如何にかしなければこの事件は終わりません』 『……そっか、ハッキングしてきたのが土方真紀の神姫だって事は、やっぱ黒幕は土方真紀で確定か……』 確証を経て、目的ははっきりとした。 「……あとは。土方京子からウイルスのサーバー本体の位置を聞き出すだけですね……」 『ええ、予選を突破していれば控え室で会えるわ』 「素直に教えてくれるでしょうか?」 『教えてくれないのなら、力ずくでも聞き出すまでよ』 冷徹に言い放ち、雅は視線を移す。 「……あとは、アイゼンさんが勝てるかどうかですか?」 『ま、それが一番の問題かな……』 雅の表情は硬く、中央制御室にあるモニターの一つ。 第四バトルロイヤルを映し出しているモニターを見据えていた。 ◆ 第四バトルロイヤル終了。 残機数4。 これで、本戦に出場する16名の武装神姫が出揃った事になる。 「……マスター、ゴメン……」 「まぁ、いいさ。次は勝とう」 ポッドから出てきたアイゼンを労う祐一。 カトレアとの戦闘は完全にアイゼンの敗北だった。 「祐一!!」 「祐一」 美空とリーナが駆け寄ってくる。 「ああ、二人とも……」 「祐一、その……、―――!?」 「どうしたの、二人とも」 美空とリーナのみならず、フェータまでもが絶句し祐一を見ていた。 いや、正確にはその背後に立つ女、を。 「久しいな、少年」 「京子さん?」 振り返る祐一の背後に、コートを着込んだ眼帯の女。土方京子が立っていた。 「……惨敗だったじゃないか。……私を止めるのだろう? このままでは、叶わぬぞ……」 「…………………はい」 祐一は静かに頷く。 「……でも、次は必ず勝ちます。……その為の【フランカー】ですから」 「……そうか、ならば何も言わん。……やって見せろ」 無言で頷き、祐一は意を返す。 「京子さん!!」 「なんだ?」 「本戦で、もしもアイゼンが勝ったら……」 「……勝ったら?」 「その時は、俺の言う事を一つだけ聞いて下さい……」 「……ふむ……」 興味がありそうでなさそうな、そんな微妙な表情を浮かべ、京子は微笑んだ。 「……よかろう。では私が勝ったらお前は私の言う事を聞いてもらう。……いいな?」 「はい」 その返事を聞き届け、京子は微笑を浮かべて歩み去る。 レライナを除く五人は、黙ってそれを見送った。 「で、どうするのよ?」 「……次は勝つさ……」 不安そうに尋ねる美空に、祐一は静かに答えた。 「……次はもう、負けられない……」 先のバトルロイヤル。 アイゼンに止めが刺されるより早く、他所で決着が付き神姫の残存数が4になった。 その時点で戦闘が終了した為、アイゼンも本戦に進出できたものの、結果としてみればカトレアには歯が立たなかった事になる。 「……もう、負けられないんだ……」 「ん」 祐一の肩の上で、アイゼンが応えて頷いた。 第22話:THE SECRET WISHにつづく 鋼の心 ~Eisen Herz~へ戻る ど、ドラクエ5クリア……。 20時間位? 普通のRPGに掛かる時間ってこのぐらいだよね? と思う今日この頃です。 Aボタンがへこみっぱなしでなければもっとストレス無く遊べたでしょうに……。 ああ、ヨメはフローラで。 性能重視の人ですから、私。 閑話休題。 焔星の元ネタはファイブスターのマシンメサイア。 …と見せかけて、実はAC4fAで人から貰ったネクストの設計図(そっちの元ネタが多分FSS)。 回避最優先の軽量級にコジマキャノンとドラスレという無謀な装備がお気に入りだったり……。 まぁ、ソブレロに雷電グレ積んだグレ単ネクスト作った私が、無謀とか言えたもんじゃありませんが……。 残るはP4。 今回ペルソナに鈴鹿御前と信長が出るらしい……。 やべぇ、超楽しみ……。 ALCでした~。 -
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バトルマスター (ばとるますたー) 【更新時刻】 2006年12月22日09時13分03秒 【分類】 [職業] 【参照URL】 【関連語】 【意味】 1. 最上級職。全ての武器を取り出し攻撃する。 [らふぃ~] 2. 転職できる条件は力・速さがそれぞれ20以上、生命力15以上、器用さ18以上、レベル40以上である。 [らふぃ~] 名前 コメント
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戻る 先頭ページ 次へ 目次 インターバトル2「誤情報」 インターバトル3「エルゴより」 「固執」 「戯れ」 ※For adult only インターバトル2「誤情報」 「…………」 ぱかぱか。 「ま、マスター、どうですか……?」 ぱかぱか。 マスターは一瞬頭の中が真っ暗になり、立ちくらみを起こして倒れそうになった。 「まったく……」 「ご、ごめんなさい」 椅子に座り腕を組んで渋い顔をしているマスターの前の机の上で、アーンヴァル「マイティ」は恥ずかしさと申し訳なさと自分のバカさ加減に顔を真っ赤にして小さくなっていた。いや、もとから小さいのだが。 「シエンちゃんが、こうすればマスターが喜ぶって」 「奴の仕業か……」 マスターの言う「奴」とはハウリン「シエン」のことではなく、そのオーナーのことである。 「ココちゃんも、言ってましたよ」 「…………」 かの魔女っ子神姫ドキドキハウリンのことである。 マスターは大きなため息をついた。 シエンのオーナーは確信犯だろうが、ココのほうはおそらく実践する前に教えたのだろう。今頃どうなっているだろうか。 「ともかく、情報の真偽を見極めるのは試合でだけでなく、日常生活でも大事なことだ」 「はい……」 「まあ、今回は状況的に実践しなければ分からなかったからいい。実践して取り返しがつかない場合は大変だぞ」 「すみません……」 「……もういい。顔を上げろ」 「はい?」 なでなで。 いつのまにか頭をなでられていて、マイティは面食らった。 「あ、あの、マスター?」 「今回は俺の監督責任もある。もう落ち込むな」 「……はい」 マイティはマスターの指を抱きしめる。温もり。 ◆ ◆ ◆ ぱかぱか。 「ご、ご主人様。こうですか?」 「そう! そうだ! いいぞシエン! できればもうちょっと開脚しろ!」 「は、はい」 ぱっかぱっか。 「す、凄まじい破壊力だぜぇ……」 ケンは鼻血を素手でぬぐいながら、シエンの太ももを見つめていた。 「あの、ご主人様。そ、そんなに見つめられると恥ずかしい……」 ガチャ。 「ケン、次の試合の段取りが決まったよ」 控え室に舎幕が入ってくる。 「……二人とも、何してるの?」 「おゥ……」 「はうっ!?」 気まずい雰囲気がまたたくまに部屋内に広がった。 了 インターバトル3「エルゴより」 「ほら、着いたぞ」 マスターはコートの胸ポケットの中で終始俯いているマイティに呼びかけた。 「本当に、直るんですか……?」 沈痛な声色でマイティは主人を見上げる。 「ここの店長は確かな腕を持っている。大丈夫さ」 マスターは右手に提げた紙袋を揺らした。中にはマイティの愛車、 1/12ヤマハV-MAXが入っている。 二人はホビーショップ・エルゴに来ていた。 マスターの行きつけのショップである。 マイティを迎え、V-MAXを買った場所だ。 ◆ ◆ ◆ 河川公園のラジコンコース。日曜日の昼、晴れた日には、マイティはここでV-MAXを走らせるのが日課となっている。 天使のマークがプリントされた専用のフルフェイスヘルメットをかぶり、愛車にまたがるなりマイティはエンジンを始動。クラッチペダルを踏み込み発車する。小気味よくスロットルを回し、エンジンを吹かしてゆく。 小さなライダーが小さなコースを軽快に疾走する。ミニチュアエンジンの甲高い回転音がコースに響き渡る。1/12と言ってもV-MAXの最大の特長であるVブーストシステムはきっちり再現されている。縮小ゆえ構造の簡略化は致し方ないが、スケール換算するならばその挙動は間違いなくV-MAXだった。 エンジンの回転数が6000回転を突破する。6500回転を超えてからVブーストの本領が発揮される。小さなライダーを見に来たラジコン愛好者たちは固唾を呑んだ。 が、その時。 ばすんっ! 異音がした。直後V-MAXのマフラーから煙がもうもうと吹き出し、スローダウン。マイティは異常に気付き何度も後ろを確認しながら停車。安全のためバイクから離れる。 「マイティ、大丈夫か」 煙を上げる愛車を、メットをかぶったまま見つめるマイティの元へ、マスターが駆け込んでくる。 やっとマイティはヘルメットを脱いだ。不安の色を隠せていない。 「マスター……」 声を出した途端に、マイティは耐え切れず泣き出してしまった。 ◆ ◆ ◆ 自動ドアを開けると、入れ違いに大勢の神姫とオーナーたちがぞろぞろと帰るところだった。 「やあ、いらっしゃい」 店長、日暮夏彦がマスターを見つけ挨拶する。店長と呼ぶには若い。三年前に父親の後を継いでこのホビーショップを切り盛りしているのだった。 「店長、ちょっと頼みたいことがあるんだ」 マスターはオーナーたちの端っこを通りながら、カウンターへ近づく。 カウンターの横に設けられた1/12の教室の教壇に、胸像だけのヴァッフェバニーが鎮座していた。 「あら、こんばんはマイティ」 「こんばんは、うさ大明神先生……」 マイティもこの神姫の学校で学んだことがあった。 「どうしたの? そんな浮かない顔しちゃって」 「あ、その……」 「これなんだが」 マスターは紙袋からV-MAXを取り出し、カウンターへ置いた。 「こりゃ、うちでお買い上げいただいたV-MAXじゃないですか」 店長はV-MAXを持ち上げる。 「何か、あったんですか?」 「前の日曜にいつもどおり走らせていたんだが、急に煙を噴き出してな」 詳しくは彼女から訊いてくれ、と、マスターはマイティをカウンターへ立たせた。 「落ち込んでいても仕方がない。彼に話してくれないか」 「はい……」 マイティは、6000回転を超えたあたりから変な破裂音がして、止まってしまったことを話した。 「ははあ」 店長はそれでだいたいの見当がついたようだった。 「たぶん、バタフライバルブ関連ですね」 「バタフライバルブ?」 「Vブーストシステムの要の構造です。エンジンの回転数が6000回転を超えるとだんだんと開き始めて、8500回転で全開になってエンジン構造がツインキャブに変化するんです」 マスターは中盤からの強烈な吹き上がりを思い出した。 「おそらく、バルブのパッキンか何かが吹っ飛んで、燃料の混合気がいきなり大量にエンジンに入っちゃったんだと思いますよ」 「人間の過呼吸みたいなものか」 「良いたとえですね」 店長は作業台へV-MAXを乗せると、エンジンを外し始めた。 「直りますか?」 マイティはおそるおそる尋ねた。 「部品を交換するだけですからね。たしかバルブの予備はあったから、すぐ済みますよ。……あ、そうだ」 店長はマイティのほうへ振り返った。 「せっかくだから、メンテナンスのやり方、教えてあげるよ」 「えっ?」 「愛車は自分でいじりたいだろ?」 「あ、ありがとうございますっ!」 マイティは涙をぬぐって、作業台へ向かった。うさ大明神様ことジェニーも調整助手として作業台へ置かれる。 「部品飛ばさないでくださいよ。よけられませんから」 「わかってるよ」 店長はエンジンを取り出し終え、今度はエンジンそのものの分解に入る。 「さて、俺はどうするかな」 「あ、そうそう。神姫パーツの新製品、入ってますよ」 「そうか。見せてもらうよ」 マスターは神姫パーツの棚へ向かった。 棚の手前に新製品の台があり、そこに小さな箱が平積みされている。 うさぎさん仮装セット、黒ぶちメガネ、サイズ変更用バストパーツ、etc……。 むう、ほとんどが愛玩用のパーツじゃないか。 マイティに対して、このような愛玩用部品を買い与えることは全く無かった。マイティが欲しがるところを見たことが無かった。言わないだけかもしれないが。 そういえば、戸田静香嬢の作った服を着てみたいとは言っていたな。今度会ったときに頼んでみようか。 考えながら見ていると愛玩用でないパーツを見つける。 ストラーフ用らしき鎌に、白と黒、色違いの翼である。 マスターは白い翼を一箱取る。 一見仮装セットやメガネのような愛玩パーツの類に見えるが、裏を見るとれっきとした飛行機能をもつ背部パーツであることが記載されていた。 アーンヴァルの高速巡航性能を持つウイングバーニアとは違う、曲線で機動的な飛行が可能らしい。翼面への武装は出来なくなるが、その軽さは非常に良好な出力重量比を出す、と、かいつまんで言うならこういうことが書いてあった。 「ほら、こいつが問題のバタフライバルブさ。ここんところが割れてるだろ……」 カウンターではちょうどエンジンを分解し終えたらしく、店長の説明にマイティは熱心に聞き入っている。 とりあえず白い翼のみをカゴに入れて、マスターは対戦端末の方へ行く。 ここではランキングに関係のない対戦か、大多数のオーナーが所属しているサードリーグの対戦しか出来ない。 マスターはサードのランキングを参照する。検索キーワードに「片足 片脚 片輪 隻脚」と入力し、検索。 すぐに「該当なし」の答えが返ってくる。いるいないに関わらず、オフィシャルで二つ名は検索出来ないようだった。うろ覚えの名前を思い出して、今度は 「ルーシー」、そしてタイプに「ストラーフ」と入力してみる。 あいまい検索を使ったので該当名は102件。マスターはしらみつぶしに参照し始めた。 「終わりましたよ」 カウンターから声がかかり、マスターは端末を閉じる。102件の神姫の中で、目的のストラーフは見つけられなかった。片脚装備のストラーフはいるにはいたのだが、そのどれもが偽者、というよりはただの「まねっこ」でしかなかった。 「これを頼む」 マスターは白い翼のパーツを置く。 「はい。マイティちゃん、すごいですね。飲み込みが早くてびっくりしましたよ」 店長が元通りになったV-MAXをカウンターに置く。 「ついでにオーバーホールもやっちゃいました」 「ありがとう。いくらだ」 「あ、いや、いいですよ。翼のだけで」 「いいのか?」 「ええ。久しぶりに楽しかったし」 マイティはにこにこしている。 「……そうか。ありがとう」 「いえ」 マスターはすこし考えて、訊いた。 「一つ尋ねたいんだが」 「はい?」 「片輪の悪魔、もしくは、片脚の悪魔という二つ名の神姫を知らないか」 「…………」 店長はしばらく黙っていたが、 「それって、オーナーも左足が無いやつ、ですか」 「そうだ。すこし前、サードだった頃に戦ったことがある」 変に重そうな空気を察して、マイティはマスターのコートにもぐりこんだ。 「たぶん今は戦えませんよ。だって彼、今ファーストランカーなんです」 「なんだって?」 「知らないんですか?」 「ファーストのセンターには行かないからな」 ランキングの参照は、プライバシー云々とかいう面倒な理屈でセンターでしか参照できず、またそこではセンターの取り扱うランク以下のものしか見られない。ファーストのランクを調べるには、ファーストのセンターへ行くしかないのだ。 そしてファーストのセンターは、例外なくリアルバトルのための大規模な施設がある、スタジアムのようなところである。 「ともかく、いま彼はファーストです。破竹、って言葉がぴったり当てはまるほどの勢いでのぼり詰めましたから。時期的に見て、サードで戦ったのはたぶんあなたが最後ですよ」 「そうか」 マスターは驚く風でもなく、そうとだけ答えた。 「いろいろありがとう。それじゃあ」 「ありがとうございました。また来てください」 「またね、マイティ」 「さようなら、うさ大明神先生」 そうしてマスターはホビーショップ・エルゴを後にした。 「マイティ」 「はい?」 雪がしんしんと降る帰り道。マスターはマイティに言った。 「お前は、……ファーストに行く気はあるか」 「どうしたんですか? 急に」 「いや。もし行けるとしたら、の話だ。リアルバトルがほとんどの、危険な所だ。お前はどうしたい」 「うーん……」 マイティはすこし考えて、答える。 「マスターがそうしたいのなら、私はそれで」 テンプレートのような回答。神姫が本来答えるような。 だが言葉は同じでも、マイティはそれを自分の意志で言ったのだ。 「私も、あの片脚の悪魔ともう一度戦いたいです」 だからマイティは、そう付け加えた。 「そうか――」 マスターは安心したとも落胆したとも取れる微妙な、表情をして目をつぶった。たぶんそのどちらでもあり、マイティはそのどちらでもある悩めるマスターが好きだった。 「明日晴れたら、もう一度バイクを走らせに行こう」 「はい」 白い空がだんだんと暗くなり、夜が訪れる。 了 「固執」 仰向けに寝ながら、神姫スケール換算地上千メートルを、高速巡行するマイティ。 手足には軽量で対実弾防御力のあるカサハラ製鉄ヴァッフェシリーズのプロテクターを着込み、クリティカルな胸部には同根装備のアーマー、頭にはヘッドセンサー・アネーロをかぶる。 右手はミニガンではなく、アルヴォPDW9。アーンヴァルの実弾射撃武装はどちらもケースレス方式をとっている。飛び出した薬莢が飛行機動を阻害する恐れがあるためだ。とくに高速移動時にその弊害が見られ、だからミニガンは飛行時に正面へ撃つことができない。 背中のウイングユニットには、ありとあらゆる推進装備がくっつけられている。エクステンドブースター、ランディングギア。そしてヴァッフェシリーズのスラスター。融通の利く動きはほとんどできないが、一方向に集中したノズルは莫大な推進力を生み出す。アラエル戦のバトルプルーブを経て、各パーツの配置が一新され、よりパワーロスが少なくなった。 翼の一方に、バランスの低下を承知で、LC3レーザーライフルを搭載していた。この装備方法では飛んでいる方向にしか撃てない。巡行武装だと割り切っている。 ここはホビーショップ・エルゴの対戦ブースである。このたびの大改装でセカンドリーグにも参加できるようになり、マスターは二駅をまたぐ必要がなくなったのだった。 スペースでは対戦相手がいない場合、こうして一人でテストモードが出きる。トレーニングマシンが普及してから使われなくなった機能だが、現在でも律儀に入れられている。 「どうしてトレーニングマシン、使わないんです?」 店長が訊いた時、 「実戦に使われるフィールドの方が役に立つ」 とマスターは答えた。 確かにトレーニングマシンと実際に試合に使用されるフィールドには若干の差がある。しかしそれは本当に若干なもので、だから皆将来的な経費が押さえられるトレーニングマシンを買うのである。 マスターの家にも無論、トレ-ニングマシンはある。 「マイティ、どうだ」 バーチャル空間の中を飛び回るマイティに話し掛ける。 『やっぱり空気の重さが違います。マシンでできたような無茶な機動が、たぶん出来ません』 バトルスペースのマシンパワーに、やはりトレーニングマシンはかなわない。戦闘中はだいたい高速で動く神姫には、この差は場合によっては致命的な差となる。 マスターもマイティも、今、一種のマンネリを覚えていた。 バトルの成績は悪くはない。ファーストへの昇格はいまだ高嶺の花だが、それでも順当に戦えている。 バトルのアクセス料金、マイティの武装代、メンテナンス料金、武装神姫というカテゴリにかかる料金はすべて、いわゆるファイトマネーでまなかうことが出来た。 余談ではあるが、この「勝てばそれなりに報酬がもらえる」という制度が実現したことが、武装神姫の世界的な発展につながった一翼を担っていると言っても過言ではない。実現にあたっては「ゲームがけがれる」とか「ギャンブルだ」などという辛辣な批判ももちろんあった。 しかし結果として、良い方向に実現した。 第三次世界大戦も起こらなかったし、宇宙人の侵略もなかったのだ。ゲームに報酬が設定された所で、なんのことがあろうか。と、人々が思ったかどうかは分からないが。 閑話休題。 ともかくそれでも、何か初期のキラキラした感覚が鈍くなってきていることは、お互いに分かっていた。 その対処法が分からない。 結局問題は棚上げで、今に至る。 『Here comes a new challenger』 ジャッジAIが挑戦者を告げる。 テストモード中はオンラインオフラインに関わらず、対戦受付はオープンにしてある。当たり前だがシャットアウト機能は無い。対戦スペースにいるのはすべからく対戦許可とみなされるのだ。 相手はオンラインからだった。 『よろしくお願いします』 当り障りの無い挨拶。女性らしい。 「よろしく」 マスターは適当に答える。 相手はセカンド。大体自分と同じような戦績。いや。 最近特に伸びてきている。 マイティがいったん待機スペースへとリターン。 『どうします?』 「例の機能を使ってみようと思う」 『じゃあ、初期装備はこのままですね』 「なるべく広いフィールドの方が良いが、狭くてもすぐ対応できる」 『分かりました』 マイティ、準備完了。 すぐに周囲のポリゴンがばらばらになり、フィールドが再構成される。 『バトルスタート。フィールド・地下空間01』 広大な空洞。高さもあるが、下は一面湖だった。所々に浮島があり、またいたるところに石の柱が立っている。 一方の入り口から、マイティが巡行飛行状態で入場。 もう一方から入ってきたのは、ストラーフタイプだった。 かなり軽装である。 ヴァッフェシリーズのブーツを履き、大腿と手首には同根装備のスパイクアーマーをそれぞれ取り付けている。胸部はハウリンの胸甲・心守。 頭部にフロストゥ・グフロートゥ、二の腕にフロストゥ・クレインを装備しているが、あれでは武器を使用できない。アクセサリーと割り切っているのだろうか。 主武装が新装備のサイズ・オブ・ザ・グリムリーパーと、二体のぷちマスィーン、肆号とオレにゃんしかなかった。プチマスィーンはどちらも射撃用のマシンガン。 何よりも特徴的なのは、メガネをかけていることだった。 「軽装備……?」 それに装飾が過ぎる。 マイティは疑問に思った。 『何か仕込んでいるのかもしれない。気をつけろ』 「了解」 そのまま巡航で近づく。ためしにレーザーライフルを二、三発撃ってみる。 ストラーフが消える。 「!?」 『光学迷彩だ。センサーをサーマルに切り替えろ』 「は、はい」 「はっずれ~♪」 真上から声が聞こえた。背筋が一気に凍りつき、マイティは慌てて後方にマシンガンの 銃口を向けようとする。 がごんっ 胸部をしたたかに打たれ、マイティは失速。落下した。 「な、なに?」 マイティは何が起こったのか分からず混乱した。姿勢を制御するのを忘れる。 『マイティ、機体を起こせ!』 はっ、と気づいてフラップを最大限に傾ける。 水面すれすれでマイティは水平飛行に移る。水しぶきが上がる。 胸部アーマーがべっこりとひしゃげていた。ストラーフは鎌の背でなく、刃で打った。アーマーが無ければ負けていた。 「マスター、今のは!?」 『分からん。瞬間移動に見えた。今解析している』 『調べても無駄よ』 相手のオーナーが言った。 『本当に瞬間移動ですもの』 『何?』 マスターのモニターに相手の画面が現れた。眼鏡を掛けた黒髪の女性。 『公式武装主義者(ノーマリズマー)のマイティに会えて嬉しいわ』 『もう二つ名がついているのか。光栄だな』 『セカンドながらあの鶴畑を倒した実力派ですもの。神姫に入れ込んでいる人間なら、だいたい知っているわ』 『さしずめそちらは特殊装備主義者(スペシャリズマー)というわけか。マイティ』 「は、はい」 『装備Bに切り替える』 「分かりました」 マスターがコンソールを操作する。 マイティはウイングユニットを丸ごと切り離すと、浮島の一つに着地。シロにゃんにコントロールが移ったウイングユニットは、ランディングギアを浮島に落とす。 『サイドボード展開。装備変更』 マイティの脚からブーツが消え、代わりにランディングギアが瞬時に装着される。肩と大腿のプロテクター、そしてひしゃげた胸部アーマーがポリゴンの塵と化し、ふくらはぎのアクセサリポケットが肩に移動。 武装にも変更が加えられた。アルヴォPDW9が消失し、カロッテTMPが出現。 左手首のガードプレートが、右手首同様ライトセイバーに代わる。 予備武装としてランディングギアにバグダント・アーミーブレードを装備。 最後に、天使のような翼が背中から生える。「白き翼」だ。 『飛び方は覚えているな』 「はい。さんざん練習しましたから」 『よし、行け』 ひと羽ばたき。それだけで、マイティは相手のストラーフの立つ浮島へ急速に接近した。 バララララララ 接近しつつTMPを撃つ。 ストラーフはまたもや消失。真左に反応。 左を向いて確認する隙も惜しんで、マイティは反射的に左手のライトセイバーをオン。そのまま切り付ける。 「おっと」 ストラーフは、上、に避けた。 間違いない。こいつは飛べるのだ。 どうやって? 『原理は不明だが瞬間移動が主な移動手段だ。姿勢制御による若干の移動を、頭と二の腕 のブレードと手足でやっている』 マスターが解析した。 なんて飛び方! 後方からがっちりと拘束される。 「おしまいね」 ストラーフがくすっ、と笑う 鎌が首筋に当てられようとする。 マイティは両肘で相手の腹を打つ。 「やばーん!」 飛び去りながら、ストラーフが叫ぶ。 「うるさいっ」 マイティはTMPを精密射撃。 しかし鎌をくるくると回転させ盾にされる。 二体のぷちマスィーンズが反撃の連射。 マイティは白い翼を前方で閉じる。 翼の表面に銃弾が当たる。が、ダメージは無い。翼は盾にもなるのだ。 「ばあ」 翼を開いた途端、目の前に舌を出したストラーフ。瞬間移動だ。 ガキンッ! 突き出された鎌を、TMPで受ける。TMPは壊れて使い物にならなくなった。 ライトセイバーを伸ばす。ストラーフはあろうことかぷちマスィーンを盾にして後退。マスィーンズは爆砕。ポリゴンになって消える。 「マスター、瞬間移動のパターンは!?」 『今のところ直線距離でしか移動していない』 つまりいきなり後ろに回り込まれることは無いということ。だが、横に移動した後、後ろに、と二段階を踏めばそういった機動も出来てしまう。 あまり意味が無い。 「そうよ、この瞬間移動は自由自在なのよ」 マイティの懸念を見透かしたかのように。ストラーフは笑った。 「しかも」 真横。 「何度も使えちゃう」 真後ろ。 「くうっ……!」 マイティは宙返り。ランディングギアでオーバヘッドキックを浴びせる。 「きゃんっ!?」 頭に命中。ストラーフは急速に落下する。マイティはアーミーブレードを両手に装備。 「やったわねぇっ」 浮島を蹴り、目の前に瞬間移動。 予想通り! マイティはブレードを振り下ろす。f 瞬間移動した直後は瞬間移動できない。当てられる! しかし、ストラーフは消えていた。 「予想通り」 頭上から声。姿勢制御による限定機動! 「お返しよ♪」 頭をぶん殴られ、マイティは一瞬気を失う。 屈辱。殴られるのは一番そう。これは人間も神姫も変わらなかった。 「シロにゃん!」 「にゃーっ!」 いつのまにか接近していたウイングユニットがストラーフに体当たりを仕掛ける。 「そんなハッタリ無駄!」 ズバッ 鎌で一刀両断。ウイングユニットは消えてしまう。 『主義と固執は違うのよ』 ストラーフのオーナーが言う。 『何を……』 『通常装備だけではおのずと限界がある。あなたも薄々感づいているはず』 『何が言いたい』 マスターは苦虫を噛み潰したような顔をした。 『あなたの実力ならファーストには行けるでしょう。でも、ファーストでは固執は許されないわ。認められたあらゆる手段を使わなければ勝てない場所よ』 『アドバイスのつもりか』 『あなたがあの片足の悪魔と戦いたいのなら、ね』 『……!!』 その名前が出てきたことに、マスターは驚きを隠せなかった。 モニターから嫌な音がした。 ストラーフの鎌が、マイティの額を刺し貫いていた。 驚愕に目を見開くマイティ。ポリゴンの火花を撒き散らして、消滅。 『試合終了。Winner,クエンティン』 マスターは初めて、相手の神姫の名前を知った。 マスターはしばらく、コンソールに手をつきながら前を見つめていた。 ハッチの開いたポッドに座り込みながら、マイティはおどおどするしかない。 「帰るぞ」 唐突にそういわれたので、マイティは立ち上がる際転びそうになってしまう。 ねぎらいの言葉を掛ける店長も無視して、マスターは足早に店を出た。 了 「戯れ」 ※For adult only ぱかぱか。 「うーむ、やっぱり何度見ても素晴らしい……」 ぱっかぱか。 「ご主人様、口調が変わってます」 股を開いたり閉じたりしながら、私、犬型MMSハウリン『シエン』は言った。 あれからご主人様は、毎晩のように私にこの、……その、「ぱかぱか」をさせる。 正直に言って何度やっても恥ずかしくて仕方が無いのだが、ご主人様が喜ぶなら,と、私は拒否しない。まあ、そもそも、やれと言われれば神姫に拒否権など無いのだけれど。 それに、これを始めてから一向に気になってしょうがないものがあるのだ。 ご主人様の股間部の、ふ、ふ……ふくらみだ。 私のこの行為でご主人様が欲情しているというのは、役に立っているところは嬉しいのだが、素直に喜べない所は、ある。 それにご主人様はあそこを大きくさせるだけで,行為に及ぼうとはしない。こんなことを言うのも悪いが、躊躇無くやるような外見をしているというのに。こんなこと考えるのは神姫としてありえないことだろうか。バグが発生しているのかもしれない。ずっとATに乗って揺さぶられて戦っているから、ノイズか何かが拡大しているのかもしれない。少なくとも今は、定期的にスキャニングしても何も出ない。 いたって正常。 でも……。 私はついに思い立つ。 ぱかぱかをやめて、座る。 「ん、どした? もう嫌か?」 私はテーブルを降りて、迷うことなくご主人様のふくらみの前に降り立った。ぽす、と座布団が小さな音を立てる。 「すみません。動かないでいてください」 「お、おい!?」 声をあげるご主人様を無視して――無視できるということはやっぱりバグってるのかもしれない――、私はズボンのファスナーを下ろす。そして中のトランクスをずらした。 ぼろん、と、ご主人様の巨大な一物が私の前に躍り出た。べち、とぶつかってしまって、転んでしまう。 「し、シエン……」 「大丈夫です。楽にして、差し上げます」 私は起き上がって、両手で彼のモノを抱きかかえる。雄の臭いが嗅覚センサーを刺激す る。嫌な臭いじゃ、ない。ご主人様の、ニオイ。 好き――。 私は恍惚状態に落ちながら、小さな舌を竿に這わせる。 ちゅっ、ちゅる……ぺちゅ、れるれる。 淫猥な音が部屋に広がる。食物を消化できる神姫は、唾液だって分泌できる。人間のそれとは大きく成分が違うが……、こういう用途に関しては、効果は一緒だ。 「ぐ、うぅ……」。 ご主人様が耐えられず、横になる。 私は彼の上に乗って、足も彼の肉棒に絡みつかせる。 熱くなっているのが分かる。彼のモノも、私自身も。 全身から分泌される汗、冷却液さえ、潤滑油にして満遍なくまぶす。 これくらいでいいでしょう。 私は全身を使って、ご主人様のものをしごき上げる。なめることも忘れない。 くちゅっ、ぷちゃっ、ぢゅにゅっ、ぬちっ さらに激しく水音が響く。 もう彼の臭いが私に移っちゃっているかもしれない。 でも、損なのは気にならない。むしろうれしい。 カリの裏側を、舌でねぶり、手でこする。男の人はここが気持ちいいのだ。どこで知ったかって? それは秘密。 「うおぉ……」 気持ちよさそうにご主人様がうめく。とろとろと先走り汁がにじみ出てきて、私の体を汚していく。 私の中から快感の波がやってくる。神姫だって気持ちよさを感じるプログラムはある。アングラの愛玩用素体など使わなくたって。 「あぁ、はっ、ふうう……」 声を漏らしてしまう私。こんなにエッチな声が出せちゃうんだ。 さらにトリップしつつ、動きを激しくする。 ぢゅ、ぐちゅっ、ずちゅ、むぢゃっ 「ご主人様、気持ちいいですか、はうっ、気持ちいいですか?」 私の声はご主人様には届かない。彼は快楽に身をゆだねているだけだ。私だって、もう何を言っているのか分からなかった。 一物が一段と大きく膨らみ、根元から熱いものがこみ上げてくるのが分かった。 あ、そろそろ、イきそう。 「だめだ、シエンっ……そろそろ、出ちまう」 「いい、ですよぉっ……。出してっ、ください。わ、私に、かけてくださいっ!」 「ぐおぁっ!」 びびゃっ! 精液がてっぺんから勢いよく飛び出した。 びゅぐるるっ、びるびっ、びゅるっ、びるるぅっ! 「ああっ、熱い! こんなに、いっぱいぃ!」 大量の白濁液が、真上から私に滝のように降り注ぐ。 一段と濃いオスの臭いが私のボディの上から下まで染み付いてゆく。 びゅびぅっ、びゅるぐっ、ぶびゅるっ、ぶゅるるるっ! 「ご、ご主人様、ごぼ、おぼれちゃい、ますぅ……」 彼の液体に浸かりながら、私は気を失った。 それからどうしたかって? どうもしませんよ。私たちはいつもどおり、ATに乗って戦って、ファイトマネーをもらって食べていってます。 ただ私は、毎晩体を洗うのが日課になりましたけれど。 了 戻る 先頭ページ 次へ
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MMS戦記 外伝「敗北の代価」 「敗北の代価 11」 注意 ここから下は年齢制限のある話です。陵辱的な描写やダークな描写があります。 未成年の方は閲覧をご遠慮下さい。 □ 重邀撃戦闘機型MMS「リカルダ」 SSSランク 二つ名「ミョルニル」 オーナー名「春日 凪」♀ 20歳 職業 神姫マスター 真っ赤に燃え滾るヒートナギナタを振り回し,戦国時代の武将のように名乗りをあげるリカルダに対峙する神姫たちは、ぽかんを口を開けて呆然と立ち尽くす。 オーナー1「な、なんだァ!?あいつ!」 砲台型C「あれがSSS級の化け物神姫、リカルダか」 悪魔型「び、びびるな!!!敵は一騎だァ!!!」 一瞬、神姫たちに動揺が走ったが、すぐさま体制を建て直し、リカルダを取り囲むようにじりじりと移動する。 春日はバトルロンドの筐体に備え付けられているタッチパネルを操作し、状況を把握する。 春日「残り、88機!敵は3つの集団に分かれている」 春日はマーカーで3つのくくりを作る。 春日「まずは集団A、陸戦タイプの神姫を中心とした大集団、数は50、どうせこちらの速度にまともについていけない、適当につぶしておけ」 リカルダ「イエス」 春日「次に集団B!!空戦タイプの神姫を中心だな、数は1ダース(12機)、機種はアーンヴァル、エウクランテ、アスカが多いな・・・まずはこいつらから血祭りにあげろ、皆殺しだ!」 リカルダ「OK」 春日「最後に集団C・・・砲戦タイプの神姫ばかりだな!数は20、機種は戦艦型4隻、戦車型6両、砲台型10台!鈍亀ばかりだ、うまく誘導して同士撃ちにさせろ」 リカルダ「了解」 春日はバンっと筐体を叩く。 春日「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)!!!見敵必殺だ!!立ちはだかるすべての障害を排除しろ!」 リカルダ「Sir,Yes sir MyMasterrrrrrrr」 ヒュイイイイイイイイイイイイイイイ リカルダのリアパーツに装備されている巨大な素粒子エンジンが緑色に輝く粒子を撒き散らし唸り声を上げる。 巡洋戦艦型A「奴を倒せば兜首だ!賞金を手に入れて富と名声を手に入れろ!」 装甲戦艦型A「支援射撃を開始する!全神姫突撃突撃ィ!!」 数隻の戦艦型神姫が主砲をリカルダに向けて発砲するのを皮切りに再び神姫たちが吼えるように声を上げて、武装を手に掲げてドッと津波のように襲いかかる。 神姫「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」 リカルダはまったく臆することなく、巨大な素粒子エンジンを全開に吹かして真正面から突撃を仕掛ける。 リカルダ「あは、あはっはは!!この程度の数の神姫でこの俺を倒せるとでも?笑わせるッ!!!」 轟とエンジンを轟かせてリカルダは燃え盛るナギナタを引っ掴んで迎え撃つ。 砂漠を砂埃を立ち上げて、真っ先に攻撃を仕掛けてきたのは、ハイスピードトライク型 アーク、ハイマニューバトライク型 イーダ、モトレーサー型 エストリル、クルーザー型 ジルリバーズのバイク使いの4神姫だった。 バイク使いの4神姫はリカルダの姿を認めると、ばっと散開し一斉に手持ちのマシンガンやキャノン砲、ハンドガンで射撃を開始する。 リカルダ「遅い遅すぎるぜ、それで速く動いているつもりか?」 リカルダは地面スレスレをホバリングするように砂山や岩を盾に攻撃を回避し、ズンと地面を強く踏みしめると、同時に地面に巨大な亀裂と穴が穿つ。 パンッと空気が爆ぜる音がしたと同時に、ハイスピードトライク型 アークの紅の武装が異常な形にくにゃっと歪みバラバラに分解されて吹き飛んだ。 □ ハイスピードトライク型 撃破 真横を走っていたクルーザー型のジルリバーズの目が見開かれる。 ジルリバーズ「なっ・・・」 ぐしゃぐしゃに潰れたトライク型の後から破壊音が衝撃波となって届く。 ドギャアアアアアアアアアン!! チカチカと何かが光ったと思った瞬間、モトレーサー型 エストリルの薄いピンク色の体が黄色い閃光に飲み込まれて爆散する。 □ モトレーサー型 撃破 ジルリバーズ「あ、あああ・・・」 彼女の眼前で瞬く間に僚機が沈む。 あまりにも速い、度外れた速さ、圧倒的な凄まじい破壊の力に彼女は驚愕し見届けることしか出来ない。前方でハイマニューバトライク型イーダが変形を解除し、大剣を構えて対抗しようと、リカルダに攻撃を仕掛けようとするが・・・ 次の瞬間、ジルリバーズの横を薄緑色の塊が軽々と宙を舞いすぐ脇を通りぬけていく。 風が唸る。 ゴキン 鈍い金属音が聞こえる。その音の正体を最初は理解できなかったが、崩れ落ちるバラバラになった自分の体がジルリバーズの視界に移ると意味を理解した。 ジルリバーズ「は・・・はや・・・速すぎる」 □ クルーザー型 ジルリバーズ 撃破 ズドンズドンズドン!! 戦艦型神姫の砲弾がリカルダの周囲に着弾するが、リカルダはまったく意に介さず無視する。 リカルダ「おいおい、なんだ?その動きは舐めているのか?あああん?的撃ちじゃねーんだぞッォ!!!!!」 リカルダは顔を歪ませて新たな敵に向かって突進する。 音速を超え、超高速の剣戟に、対峙する神姫たちはまったく捕捉しきれなかった。 悪魔型「うおおおおおおおおおお!!」 巨大な刀を携えた悪魔型が雄叫びを上げて強化アームを振りかざし突撃するが、リカルダは悪魔型が刀を振るう前に胸部を突き殺す。 □ 悪魔型 ストラーフMk-2 撃破 間髪いれずに今度は巨大なハンマーを携えた白い悪魔型とソードを構えた黒い悪魔型が躍り出るが、リカルダは副腕のレールキャノンをくるんと廻して、胸部を正確に撃ちぬく。 □ 悪魔型 ストラーフ・ビス 撃破 □ 悪魔型 ストラーフ 撃破 脇を小柄な2体の神姫が槍と剣を携えて飛び出してきたが、リカルダは2体まとめて燃え盛る紅蓮の炎を纏ったヒートナギナタで文字通り薙ぎ払った。 □ 夢魔型 ヴァローナ 撃破 □ 剣士型 オールベルン 撃破 樹脂の溶ける焦げ臭い不快な匂いを撒き散らして四散する2体の神姫。 リカルダの強烈な攻撃の様子はさながら嵐のようであった、音よりも速いリカルダの攻撃は空気を引き裂き、爆ぜ、対峙する全てのものを打ち砕く。 次々に撃破のテロップが流れる。 まるで音楽を奏でるかのようにリカルダは縦横無尽に戦場を駆け回り、刈り取るように神姫を撃破していく。 □ 犬型 ハウリン 撃破 □ 猫型 マオチャオ 撃破 □ リス型 ポモック 撃破 □ フェレット型 パーティオ 撃破 □ ウサギ型 ヴァッフェバニー 撃破 □ 騎士型 サイフォス 撃破 □ 侍型 紅緒 撃破 □ 花型 ジルダリア 撃破 □ 種型 ジュビジー 撃破 □ サソリ型 グラフィオス 撃破 春日「30、31・・・」 春日はにやにやしながら腕を組んで数を数える。 怯えた白鳥型が大剣を盾に悲鳴をあげて後ずさるが、リカルダは大剣をガードの上から叩き割った。 ズン・・・ 真っ二つに引き裂かれた白鳥型の表情には驚愕の念が浮かんでいた。 彼女は決して弱い部類の神姫ではなかった。数多の戦場を先陣切って誉高く駆け、敵を討ち取ってきた武装神姫である。 だが、違う。 こいつは違う。 一刀両断されて始めて違いに気がついた。 こいつは普通じゃない。 白鳥型「ば・・・化け物め・・・」 □ 白鳥型 キュクノス 撃破 春日「32!!総数の3分の1を殲滅した、残り68!さっさと片付けるぞ」 春日は筐体の画面を操作して状況を把握する。 リカルダ「だめだ、弱すぎる・・・お話にならない」 参加していた神姫のオーナーたちはたった数分間で100体いた神姫の3分の1が潰滅した事実にただ言葉も無く息を呑む。 いま眼前で繰り広げられた戦い、リカルダの桁ハズレの強さ。 次々となすすべもなく撃破されていった仲間たちを見て陸戦主体の残った神姫たちは完全に戦意を喪失して、武装を放り出して逃げ始めた。 カブト型「だ、だめだァ!!こんなの勝ってこないよ!」 クワガタ型「ひ、ひィいいい」 ヤマネコ型「やってられるかよ!!!」 がしゃがしゃと手持ちの武器を捨てて逃げようとした瞬間、後方からチカチカと青白い光が瞬く。 建機型「!?」 ドッガアズガズッガアアン!! 装甲戦艦型A「撃て撃て!!撃ちまくれェ!!」 巡洋戦艦型A「逃げる奴は敗北主義者だ!!!敵もろとも攻撃しろ!!!」 重装甲戦艦型A「奴を倒せば1億円なんだぞ!!断じて引くな!!後退は認めん!!」 数隻の戦艦型神姫が味方もろとも無差別に砲撃を始め、瞬く間にフィールド内は阿鼻叫喚の地獄絵図に変わった。 ドンドンッドオドドン!!ズンズウウン・・・・ カブト型「ぎゃあああああああ!!」 虎型「ウワァ!!」 丑型「いやああああああああああ!!撃たないで撃たないでェ!!!!!」 猛烈な艦砲射撃がリカルダと周囲にいる神姫たちを巻き込んで行なわれる。 戦艦型の取り巻きの戦車型、砲台型も味方を撃つことに戸惑っていたが、手段を選んでいる場合ではないと悟ったのか、一緒になって見方もろとも攻撃を始めた。 □ 建機型 グラップラップ 撃破 □ 虎型 ティグリース 撃破 □ 丑型 ウィトゥルース 撃破 □ ヘルハウンド型 ガブリーヌ 撃破 □ 九尾の狐型 蓮華 撃破 次々とフレンドリーファイヤーの表示が出ながら撃破のテロップが踊る。 瞬時に周りは地獄と化した。その光景は凄惨そのものだった。目の前で多くの神姫たちが生きたまま焼かれ、重症を負い、そして粉々に砕かれて宙を舞った。 ズンズンズン・・・・ ものすごい爆煙と砂埃で砲撃地点は黒茶色の巨大なキノコ雲が立ち上り、ボンボンと神姫が爆発する音と赤い炎が巻き起こる。 上空を数十機の航空MMSが心痛な面持ちで眺めていた。 天使型「下は地獄ですね」 セイレーン型「うわあァ・・・」 ワシ型「イカレ野郎もろとも吹っ飛ばしてしまえ!!」 ワシ型が手を掲げてファックサインをする。 ドッギュウウウム!! 戦闘機型「おぐ・・」 戦闘機型の胸部を黄色い閃光が貫き、爆発する。 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 爆煙と砂埃の中から勢いよくリカルダが飛び出し、真っ赤に燃え盛るヒートナギナタでワシ型MMSを一刀両断で切り捨てる。 □ ワシ型 ラプティアス 撃破 リカルダ「コイツァ最高だぜ、ふ・・・恥も外聞もなく味方もろとも攻撃してくるとはなァ・・・」 リカルダは笑いながら次々と航空MMSをハエのように叩き落としていく。 □ コウモリ型 ウェスペリオー 撃破 □ 戦乙女型 アルトレーネ 撃破 天使型「このおおおおおおおおおおおお!!」 天使型の一機が、上空からライトセイバーを構えて突撃してくるが、 リカルダは最小限の動きで回避し後ろを取る。 リカルダ「はずしやがったな!まだまだガキの間合いなんだよ!」 天使型「そ、そんな!!うわああああ!!」 ズッドン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 天使型の頭部を跳ね飛ばした次の瞬間、リカルダを含む周囲の航空MMSたちにむけて葉激しい強力なレーザー砲の一斉射撃が加えられる。 ビシュビシュウウビッシュウウウウン リカルダ「おわっ!!」 あわててリカルダが回避する。 ズンズンズン!! □ 天使型 アーンヴァル 撃破 □ 天使型 アーンヴァル・トランシェ 撃破 □ 天使型 アーンヴァルMk-2 撃破 □ 戦闘機型 アスカ 撃破 リカルダの回りを飛んでいた航空MMSを強力なレーザーが貫き、空中に炎 出来た光球を作る。 重装甲戦艦型「ヘタクソォ!!貴様らどこを狙っている!!」 巡洋戦艦型A「ウルセェ!てめえが撃てっていうから撃ったんだろがァ!!!」 装甲戦艦型A「畜生畜生!!」 装甲戦艦型B「ひゃっはああーーー!!!もうだめだァ!!」 巡洋戦艦型B「なにをしている攻撃の手を休めるな!!!」 またしても後方にいる戦艦型神姫の一群が味方もろとも巻き込むのも承知の上で砲撃を加えてきたのである。 1度ならず2度までも、味方を巻き込む非道な攻撃を行い続ける神姫たちに観客たちはブーイングを鳴らす。 観客1「お前らさっきからナニやってんだよ」 観客2「このクズヤロウ!!さっさとしとめろ!」 観客3「誤爆誤射ばっかりやんてんじゃねーんだぞ!!このダボォ!!」 観客4「こいつらさっきから味方撃ちしかしてねえーーーーー」 観客5「なにがしてーんだよ!!このクソヤロウ!!」 グラスやゴミをフィールドにいる戦艦型に向かって投げつける観客たち。 オーナー1「うるさい!野次馬ァ!!」 オーナー2「黙れ黙れ!」 オーナー3「どーしようが俺たちの勝手だろ!」 オーナー4「戦いに誤射誤爆はつきものだろが・・・ボケが!」 オーナー5「装甲戦艦!!副砲撃て!!!あの野次馬連中を黙らせろ!!」 装甲戦艦型B「了解、モクヒョウ カンキャクセキ 撃ちかたーーーーーーーーーはじめ!!」 あろうことか、戦艦型神姫のうちの一隻が観客席に向かって副砲で発砲しはじめたのである。 ズンズンズズン!! 観客1「うわあああああああ!!撃ってきたぞ!!」 観客2「キャアアアアアアアアア!」 観客席の2階の中央のテーブルに砲弾が命中し、料理が爆発して飛び散る。 ドガアアアン!! 2階の観客席で春日たちの戦いを観戦していた神代の顔にべちゃっりとケーキのクリームが降りかかる。 脇に立っていたルカが悲鳴をあげる。 ルカ「きゃああ!!マスター大丈夫ですか!!」 神代が顔に付いたクリームを手で拭き取り舌でぺろっと舐めて片つける。 神代「大丈夫だ、問題ない」 バトルも観客席も戦艦型神姫の無差別な艦砲射撃で大混乱になる。 司会者の東條があわててマイクで放送を行なう。 「観客の皆さんはフィールド上の神姫にモノを投げないでください!!フィールド上の神姫は観客の皆さんに攻撃しないでください!!危険です」 フィールドにいる戦艦型が反論の激を飛ばす。 巡洋戦艦型A「最初に攻撃してきたのはアイツラだろ!!これは正当な反撃行為!自衛のための防衛行動だ!!」 装甲戦艦型B「戦艦に喧嘩売るとは上等じゃねえか!!ぶっ殺すぞ!!!!」 観客3「こいつらなんとかしろよ!!」 観客4「危ない!!危ない!!危ないよ!!」 観客5「おまえらは一体誰と戦ってんだ!!このボケカス!!」 春日はアッハハハと大声を上げてパンパンと手を叩いて喜ぶ。 春日「すばらしいこれこそ混乱だ!!戦場に混乱はつきもの!!最高じゃないか!!」 リカルダ「さあて・・・と残りはC集団のみ、ちゃっちゃと終わらせてやろう」 リカルダはヒュヒュンとナギナタを振り回し、突撃する用意に移る。 戦艦型神姫の一群と戦車型、砲台型が多種多様な砲口をリカルダに向ける。 戦車型A「パンツァー1より全パンツァーへ、敵は高速戦闘に特化した航空MMSだ、対空榴弾装填!!穴だらけにしてやれ」 戦車型B「パンツァー2了解」 戦車型C「パンツァー3了解」 戦車型D「パンツァー4了解」 砲台型A「砲撃モードに移行!焦るなゆっくり狙って確実に当てろ!」 砲台型B「畜生!ブチ落としてやる」 砲台型C[負けネーゾ] 重装甲戦艦型「全艦、全砲門開けェ!!火力で磨り潰せッ!!!!」 巡洋戦艦型A「火力とパワーはこちらの方が上だ」 装甲戦艦型A「一億円は俺のものだ」 巡洋戦艦型B「くそったれ、やってやる」 装甲戦艦型B「蜂の巣にしてやる」 ギラギラと目を光らせる大砲を主兵装備とする武装神姫たち 。 戦艦型神姫は巨大な体に据付けられた主砲をゴリゴリと動かす。一撃でも命中すれば神姫を粉々に粉砕できる強力なレーザー砲を搭載し、全身に対空機関砲とミサイルを装備している。単純な火力だけでは戦艦型神姫は最強クラスの戦闘能力を有する。また分厚い装甲に守られ、撃破するのは非常に困難だ。 戦車型神姫は戦艦型とはいかないまでも、強力な戦車砲とそれなりの厚い装甲を備えている。また何台かの同型の戦車型とコンビを組んで安定している。 砲台型もがっしりと地面に腰を下ろし、砲撃モードに移行し、優秀なFCSによって高い命中率と速射性能を有した滑空砲を搭載し待ち構える。 大型の戦艦型神姫、中型の戦車型、小型の砲台型のバランスの取れた鉄壁の布陣で、リカルダを待ち構える20機あまりの重武装の神姫たち。 リカルダとは対照的に、機動性を完全に最初から捨てて、がっしりと待ち構える神姫たちに隙はなかった。 こいつらは、味方ですら遠慮なく攻撃する下種だ。だが、その分勝つことには躊躇せず破壊的なオーラを纏っていた。 間違いなく強敵、そう感じ取った春日は内心、ほくそ笑んでいたが、命令を下す。 春日「大砲屋風情が調子に乗るなよ・・・リカルダ!!遠慮はいらん!!攻撃しろ!」 リカルダ「イエス、イエスマイマスター」 ぐっと身を固めるリカルダ。 さっきまで野次を飛ばして騒いでいた観客たちも一斉に押し黙る。 そしてひそひそと話し声がもれる。 観客1「まさか本当にあの砲火の前に突っ込むんじゃないよな?」 観客2「ありえんだろ?あの完璧な布陣になんの策もなしに突っ込むのは自殺行為だ」 観客3「あの陣形は点や線の攻撃なんて生温いものじゃない、面での攻撃だ」 観客4「面制圧か・・・この猛砲撃を掻い潜って奴らを殲滅できるとしたら、文字通り化け物だ・・・そんな神姫がいるのか?」 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>[[]] 前に戻る>「敗北の代価 10」 トップページに戻る
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今のところこのゲームの始め方しかまともなページがないけど許してくれェーッ! このwikiはAC「武装神姫アーマードプリンセス バトルコンダクター」の非公式wikiです。 【公式】:https //p.eagate.573.jp/game/busoushinki/bc/ ※当wikiは非公式の攻略wikiです。情報の妥当性や正確性について保証するものではなく、一切の責任を負いかねます。 ※当wikiを利用することによって生じるいかなる損害も当サイトでは補償致しません。 ※ご利用につきましては自己責任となりますのでご注意ください。 ※また、当wikiおよびwiki管理人は運営様とは一切関係がありません。wiki管理人にゲーム内のエラーなどについて問い合わせないようお願いします。 ゲームに関する問い合わせに関してはこちらから ※文章の著作権は当wikiにあります。内容の複写、転載を禁じます。 ※当wikiで使用している画像、情報等の権利は、コナミホールディングス株式会社に帰属します。 ※ぶっちゃけwiki作成慣れてなさすぎるので協力者募集してます。誰ぞ頼む…
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ランキング戦 概要 アップデート履歴 コメント ランキング戦 全国のプレイヤーとオンラインで本気でバトル。目指せ最高の称号「バトルコンダクター」!! 公式告知の下での期間限定バトル。つまり公式が用意した時報マッチ。 よって常時開催されている訳ではなく、開催時に先立って公式サイトにて告知がなされる形式。 マッチングの時間は3分?。 バトル参加追加報酬として【?ネジ】×?個が追加される。 ※所属リーグに関係なく、他のバトルモード(マッチング)と共有しない。 最新の日程は SEASON2 グランドチャンピオン戦 2023年12月30日(土) 15 00 ~18 00 ※当初は12月28日(木)だったが変更された。 ※貰える称号が異なる。 これまでの開催日程は、 + 【シーズン1】 【シーズン1】 第1回 2021年12月22日(水) 18 00~ 2022年1月9日(日) 18 00 第2回 2022年3月15日(火) 10 00~ 3月29日(火) 21 00 第3回 2022年6月15日(水) 18 00~21 00、6月18日(土) 15 00~18 00 第4回 2022年6月22日(水) 18 00~ 7月4日(月) 21 00 第5回 2022年8月20日(土) 15 00~18 00、8月21日(日) 15 00~18 00 第6回 2022年8月27日(土) 15 00~18 00、8月28日(日) 15 00~18 00 ※同着1位が発生したため、2位が存在しない結果となった。 第7回 2022年10月19日(水) 18 00~21 00 第8回 2022年10月30日(日) 15 00~18 00 第9回 2022年11月19日(土) 15 00~18 00 第10回 2022年11月27日(日) 15 00~18 00 第11回 2022年12月11日(日) 15 00~18 00 グランドチャンピオン戦 2022年12月25日(日) 15 00 ~18 00 ※シーズン2移行前で最後のランキング戦。貰える称号が異なる。 + 【シーズン2】 【シーズン2】 シーズン2 第1回 2023年3月24日(金) 19 00~21 00 2023年3月25日(土) 15 00~18 00 2023年3月26日(日) 15 00~18 00 シーズン2 第2回 2023年5月27日(土) 15 00~18 00 2023年5月28日(日) 15 00~18 00 2023年5月29日(月) 19 00~21 00 2023年5月30日(火) 19 00~21 00 シーズン2 第3回 2023年6月24日(土) 15 00~18 00 2023年6月25日(日) 15 00~18 00 2023年6月26日(月) 19 00~21 00 2023年6月27日(火) 19 00~21 00 シーズン2 第4回 2023年7月29日(土) 15 00~18 00 2023年7月30日(日) 15 00~18 00 2023年7月31日(月) 19 00~21 00 2023年8月 1日(火) 19 00~21 00 シーズン2 「忘れ去られたランキング戦」 2023年8月26日(土) 15 00~18 00 2023年8月27日(日) 15 00~18 00 2023年8月28日(月) 19 00~21 00 2023年8月29日(火) 19 00~21 00 ※何らかの処理ミスによって告知がなされないまま始まったため、連番処置はとられていない。 シーズン2 第5回 2023年9月23日(土) 15 00~18 00 2023年9月24日(日) 15 00~18 00 2023年9月25日(月) 19 00~21 00 2023年9月26日(火) 19 00~21 00 シーズン2 第6回 2023年10月28日(土) 15 00~18 00 2023年10月29日(日) 15 00~18 00 2023年10月30日(月) 19 00~21 00 2023年10月31日(火) 19 00~21 00 シーズン2 第7回 2023年11月25日(土) 15 00~18 00 2023年11月26日(日) 15 00~18 00 2023年11月27日(月) 19 00~21 00 2023年11月28日(火) 19 00~21 00 見ての通り、序盤でのは一定日数の開催期間を設けていたが、これに対し「長過ぎる」という声が少なからず寄せられたためか、第7回以後は基本的に1日の中で限定されるようになり、代わって開催頻度そのものが増えている。 また「開催告知が急過ぎる」という問題については、プレイヤーサイドから度々指摘され続けている(酷い時には当日の直前などという事例すら存在する)。 だがぶっちゃけて言えば現在ランクマへの参加を続けてるユーザーは急な告知だろうと事前告知だろうと関係なしに集まるのでそんなに影響はない。実際コンダクターリーグは完全に固定メンバーによる予定調和の様な結果になり続けてる。 この傾向はシーズン2になってもいっこうに改善されていないが、一体どういった理由によるものだろうか…? ちなみに台数減少後でもある為、シーズン2の第1回目の時点からコンダクターハーモニーともにシーズン1時代以上にフルマッチせず人数欠けやタイマン戦が発生する、同じユーザーとしかマッチしないという現象が確認されている。 そもそも現状の台数でランキング戦が成立するのか……?という課題も存在していると言える。何故かこの現実をしっかりと考えないマスターが多い。 概要 ランキング戦は、各マスターが「マスタージェム10個」を持ってスタートし、ジェムバトルの順位によって全国のマスターとマスタージェムを奪い合い、集めた数で競う日時限定のバトルです。 ランキング戦への参加は神姫ハウスにてエントリーが必要です。 12/22(水) 18 00より、対象のマスターは神姫ハウスにてランキング戦にエントリー可能となります。 ランキング戦は、エントリー時のリーグジェムバトルの所属リーグによってコンダクターリーグ、ハーモニーリーグに分けて行います。(※公式引用) 初日に受け取ったマスタージェム10個を期間内にどれだけ増やせるか競うバトル。 マスタージェムを100個集めようと0個に減ろうと、そのまま次のランキング戦に持越しされる。 マスタージェムが0個になってもランキング戦に参加できる。勝てば+2個獲得される。内部でマイナス個になることはない。 ■マスタージェムについて 1位は+2個・2位以下は-1個となっている。 誰ともマッチせずCOM三人マッチの場合は、順位に関わらずマスタージェムの変化はない。 ■マッチング帯について コンダクターリーグ:参加条件 Sリーグ~プロリーグ ハーモニーリーグ:参加条件 Cリーグ~Aリーグ エントリー後、リーグがSリーグに上がった場合、ハーモニーリーグからコンダクターリーグへの移動も可能。(その場合、マスタージェム10個から再スタートとなる)。コンダクターリーグからハーモニーリーグへの移動はできない。 ■報酬について 順位に関わらず20個獲得できる。 上位者限定武装報酬などはないが、上位者(三位以上)称号はある。 コンダクターリーグとハーモニーリーグで、ご褒美に出現する武装や確率の違いはない。 ■称号について 「バトルコンダクター」:コンダクターリーグ上位者に贈られる称号 第1回 コンダクターリーグ参加賞:第1回コンダクターリーグに参加したマスター全員に贈られる称号 「バトルハーモニー」:ハーモニーリーグ上位者に贈られる称号 第1回 ハーモニーリーグ参加賞:第1回ハーモニーリーグに参加したマスター全員に贈られる称号 ※参加称号は最終日に参加しているリーグの称号になる。 ■COMについて 所属リーグが上がるほどCOMのマスターLVが強くなっていく。最高でLV100。 誰ともマッチせずCOM三人マッチの場合は、順位に関わらずマスタージェムの変化はない。 アップデート履歴 日時:2021.12.20 内容:新規実装 コメント また当日告知してランキングバトルガチ勢おこらせてるんだよなぁ…(ランキングバトル自体には怒ってないが) -- 名無しさん (2023-03-25 19 21 22) おんなじ面子が一生勝ってて白けるのを避けるための直前告知なんとちゃうの -- 名無しさん (2023-03-26 00 18 48) 本日26日15時、突発でランキング戦があったが1日で終わりか?告知無しはズルイw -- 名無しさん (2023-08-26 21 25 25) 流石に告知漏れか誤開催のどっちかだろ… -- 名無しさん (2023-08-26 21 31 12) お知らせが無いままランキング戦が本日27日15時から始まった。コリャ明日と明後日の19時からもヤルかな?w -- 名無しさん (2023-08-27 17 49 11) 告知忘れってwネタにするか?w実際のトコ告知無しはキツい、神姫センターが減った所為で週末プレイヤーが多く平日は人が居なくてCPU戦しか出来ず、マッチしてもタイマンだもんね。 -- 名無しさん (2023-08-28 22 01 09) まあ番外編としてこういう言い方しか出来んだろうって感じ。あとぶっちゃけ告知無しだろうとランクマに出てる人間(特にコンダクター)はお構いなしに毎日やってるプレイヤーだからあんまり関係なさそう。 -- 名無しさん (2023-08-28 22 27 05) 名前 コメント
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SHINKI/NEAR TO YOU Phase02-5 神姫センターのフロア内を、色とりどりのレーザーが駆け巡る。 観衆の期待が膨らむ中、鳴り渡るファンワーレ。筐体上部に設置されたスクリーンに <MAYANO SPRING CUP ~THE JUNIOR S FINAL~> の文字が刻まれると、その高まったボルテージが一挙に解放された。 『さあ、いよいよ決勝戦となりましたマヤノスプリングカップ・ジュニアトーナメントッ! この試合に勝利し、武装神姫ジュニアユーザーの頂点に立つのはどちらのチームだぁぁぁっ!』 スクリーン画像が切り替わり、筐体の一角にスポットライトが浴びせられる。 『この舞台に立つのは、やはりこのチームだった。マスター伊吹舞と有馬シュン、神姫ワカナ&ゼリスっ! 当神姫センター上位ランカーと大会初参加のニューフェイスの組み合わせというこのコンビ、決勝ではどんなバトルを魅せてくれるのかぁぁぁっ!!』 スクリーンに映るワカナとゼリスの姿に声援が送られる。続いて、今度はティグリースとウィトゥルースが映し出される。 『それに対するのは西からやってきた双子チーム。マスター金町笑太と福太、神姫アテナ&リアナだっ! 先月関西から引っ越してきたばかりというこの兄弟は、そちらの大会で優勝経験もある強豪だぞっ! この風雲児たちが、大会に嵐を巻き起こすのかぁぁぁっ!?』 司会のアナウンスに応じるように、金町兄弟は観客に向かって勢いよく手を振る。 「会場のみなさん、よろしゅうな~!」 「オレらめっちゃ頑張るんで、期待したってや~!」 元気に声を上げる笑太と福太。続いて神姫たちがモニターに向かってアピールする。 「ウチが関西仕込みのバトルをみせたるで! 寅は西の守護神やしなっ」 「ううっ……アテナちゃん。西の守護神は白虎で、寅の方角は北東のことですよぉ?」 リアナの指摘にアテナが「それを早く言わんかいっ」と逆ツッコミで返す。 ひょきんな笑顔で挨拶する双子と神姫たちの愛嬌たっぷりな姿に、群衆のあちこちから笑いと拍手が送られる。 「……あのふたり見かけない顔だと思ったら、最近引っ越してきた子だったのね」 「しかも、向こうじゃ相当な実力者だったらしいな。道理で自信があるわけだ……」 筐体のシートで伊吹と会話しながら、シュンは対戦相手を睨む。いずれにせよ、油断ならない相手には違いない。 チラリと観客たちに目を向ける。そこでは妹の由宇が試合を見守っている。 シュンの視線に気がついた由宇が手を振った。それに軽く頷き返し、彼はエントリーボックスに向かう相棒に声を掛ける。 「いけそうか、ゼリス?」 「はい、流石はユウです。これならば全力で戦えます」 武装の調子を確かめながら、ゼリスは自信ありげに答える。 由宇は宣言通り、この短時間のインターバルでオーラシオン武装を万全なコンディションに仕上げてみせた。これは兄として妹の分まで頑張らないとな。 「ぜっちゃんの調子もばっちりってことで、飛ばしてくわよワカナ?」 「アイアイサ~、だよ~」 筺体内にエントリーしていくワカナを見送る伊吹。 「さあ、シュッちゃん。準備はいい?」 これから始まる試合を楽しむように不敵な笑みを浮かべる彼女に、シュンは大丈夫だとガッツポーズで答える。 「ああ、やってやろうぜ!」 「ふふ……じゃあ、行くわよっ!」 4人のマスター、4体の神姫がそれぞれ配置につく。 『さて、ここで大会本部から大発表。な、な、なんと! 決勝戦は今回特別に用意されたスペシャルステージが使用されるらしいぞぉ! この未知のバトルステージが、果たしてこの試合にどんな影響を与えるのかぁぁぁっ!?』 司会者がここぞとばかりに大音量のマイクパフォーマンスで盛り上げる。観客たちの歓声が、熱狂の渦となって会場を包む。 沸き立つ会場とは対称的に戸惑いをみせる神姫たちの足元で、フィールドがワイヤーフレームと化しながら再構成されていく。 「これって……台所?」 シュンの目の前で再構成されたバトルステージ、その姿は一般家庭のキッチンそのものだった。 シンクに浸る食器、まな板に転がる包丁と野菜、大型の冷蔵庫に張られたホワイトボードには晩御飯の献立まで書かれている。 まるでどこかの住宅から持ってきた台所を、そのままゲーム筐体内に収納したかのようだ。 「……誰がこんなマニアックなステージ考えたんだよ」 「でも、意外とウケてるみたいよ?」 伊吹の言う通り、観客の反応は悪くないようだ。 子どもの日だけに親子連れが多く、主にそうしたお客さんたちはこの意外な最終ステージをおもしろがって喜んでいる。その点では、客層と需要を見越した良い趣向なのかも知れないが……。 「問題ありません。例えどんなステージであろうとも……要は、勝てばいいのでしょう?」 あっさりと言い切るゼリスに、シュンは苦笑する。 『それではマヤノスプリングカップ・ジュニアトーナメント決勝戦……試合開始ですっ!!』 大歓声と共にスクリーンに<GAME START>の文字が表示される。 それと同時に、4体の神姫が一斉に飛び出した。 真っ先に動き出したのはウィトゥルースのリアナだった。 「せ、先手必勝ですよぉ」 丑型MMSウィトゥルースの武装は、大型砲を装備した砲撃戦タイプ。 だからこそ一刻も早く有利な地形に陣取ることで、イニシアティブを得る。フロートユニットは加速力はないが低空をホバリングすることで障害物を無視できる、つまり目的地までの最短距離を移動可能なのだ。 目指すはこのフィールドで最も高い座標――大型冷蔵庫の上。 リアナは近くの踏み台や棚を越え、砲撃に最も適したその場所へ向かう。 「させないの~っ」 それをマオチャオのワカナが追いかける。 相手の策をいち早く看破した伊吹の命を受け、ワカナは獲物を狙う猫さながらの動きで障害物を飛び越え、さらに研爪(ヤンチャオ)を鉤爪代わりに引っかけ棚をよじ登る。 みるみるうちにワカナとリアナの距離が詰まっていく。 「残念、それはウチの台詞やで!」 その横から、出し抜けにティグリースのアテナが飛び出した。 寅型MMSティグリースは武装をリアユニットに集中させることで、ブースター推力を高めた強襲形態になることができる。アテナは一気にワカナに並ぶと、そのままリアユニットのサイドパーツを両腕に装着。大型ガントレット炎虎甲で殴りかかる。 その拳撃を、ワカナは自らも拳を合わせることで迎撃。 ――激しくぶつかり合う炎虎甲と研爪。 衝撃で双方ともに吹き飛ぶ。その隙にリアナは悠々と前進していく。 「ははっ、アンタの相手はウチがするで」 「――では私は、遠慮なく通らせてもらいますね?」 ドヤ顔でワカナと対峙するアテナ、その頭上を白い影が飛び越えた。 装甲を輝かせ、オーラシオンのゼリスがフィールドを駆ける。慌ててアテナが追おうとするが、今度はそれをワカナが阻止。 その間にゼリスは一足飛びに棚を飛び越えた。 オーラシオン武装の両肩アーマーに搭載されたアークジェットが、空中での姿勢制御と同時に推進剤を噴射――放たれた矢のごとく一直線に加速。 冷蔵庫の頂へ手が届く寸前だったリアナに、強烈なキックをお見舞いした。 バランスを崩したリアナは地上――キッチンの床に落下する。 辛くもフローリングに軟着陸を果たしたリアナに、アテナが駆け寄る。そこから離れた地点ではゼリスが繰る繰ると華麗に着地、続いてその隣にワカナが飛び降りてくる。 「ふん、やるやないかい」 「ただの挨拶代りですよ」 憎らしそうに睨みつけるアテナに、ゼリスは涼しい顔で返した。 「なんや、お兄さんも人が悪いなあ……」 「せやせや。あんな機動力ありながら、今までの試合では隠しとったんか?」 「……別に隠してた訳じゃないさ。ちょっと本調子じゃなかっただけだよ」 先手を取る作戦が失敗した双子は不満そうだが、事実――シュンも万全な状態になったオーラシオンがどれだけの性能を発揮できるか分からなかったのだ。ゼリスは平然としているが、正直ちょっと冷や冷やした。 そんなシュンの気持ちに気づいてか、ゼリスがこっそり片目をつぶる。 (……心配ないから、安心しろってことか) シュンはゆっくりと息を吐きながら心を落ち着ける。どうやらオーラシオンは、想像以上にゼリスの力を引き出せているようだ。ならばここからが本番。 アテナとリアナはこちらを警戒するように攻めてこない。ゼリスとワカナはジリジリと移動しながら隙をうかがう。 開始直後の攻防から一転、フィールドで繰り広げられる静かな駆け引きに、会場の空気がピリピリと張りつめていく。 神姫たちは互いに牽制し合い、故に攻撃に転じるキッカケがつかめない。そして彼女たちは、そのキッカケを与えてくれるのがマスターの役目であると知っている。 「ワカナ、旋牙(シャンヤ)で突撃よっ!」 「アテナ、風神雷神で迎え撃てい!」 「こっちは援護にまわるで、リアナ!」 それぞれのマスターの指示に従って、三体の神姫が同時に動き出す。 「あっ? えっと……」 その中でシュンはとっさに指示を出すことができず、ゼリスだけが遅れてしまう。 ワカナのドリル攻撃を、アテナが両手に持った剣で受け止める。飛び退くワカナ、その引き際を狙ってリアナの砲撃が着弾。 その衝撃に、ワカナはシールドを張って耐える。 「シュン、ワカナさんを援護しますか?」 「あ、ああ……頼むっ」 一気に攻勢をかけようと剣を振りかぶるアテナ、それをゼリスが右手のハンドガンで狙い撃つ。続けて左で二丁目のハンドガンを取り出すと同時、リアナにも射撃を加える。たまらず相手は回避に転ずる。 「ふにゃ~、助かったよ~」 相手が引いた隙にワカナはいったん後退。何とか窮地を脱出できたことに、シュンは安堵の息をついた。 「シュッちゃん、それにぜっちゃんも。遠慮せずに、もっとガンガン攻めてちゃっていいわよ?」 「りょ、了解……」 伊吹に返事をしながらシュンは焦っていた。 バトルでは一瞬の隙や油断が命取りになる、だからこそマスターの判断力が問われるのだ。さっきのような場面で神姫に的確な指示を送れないでどうする。 足手まといにならないように――それすら出来ないようじゃ、ただの役立たずじゃないか。 そんなシュンの動揺を察したように、金町兄弟がニヤリと笑う。 「なかなかやるやん。けどこの程度じゃ、オレたちには勝てへんで!」 「せや。コンビネーションアタック、受けてみいっ!」 マスターの掛け声に反応して、アテナとリアナが縦に並ぶ。 前衛にアテナ、後衛にリアナがつくフォーメーションだ。 「か、覚悟してくださいよぉ」 リアナが武装に増設されたミサイルポッドから、誘導弾を一斉発射する。 噴煙の尾を引きながら迫る、対空地ミサイルの群れ。ゼリスとワカナは回避するものの、ホーミングする弾頭につきまとわれて振り切れない。 「そこや! いくで、疾風迅雷!」 裂帛の気合を込めてアテナの持つ双剣、風神雷神からそれぞれ衝撃波と雷撃が放たれる。 ミサイルの対応に追われていたゼリスとワカナは反応が遅れ、その直撃を受けてしまう。 「ゼリス!?」 「ワカナ、大丈夫っ!?」 「うにゃああ……ダイジョーブ、なの~」 電撃に痺れたワカナが目を回している。その後ろではゼリスが「少し……油断しました」と顔をしかめている。 「ははは、まだ安心するには早いで~」 「いきますよぉ、バーニングインフェルノですぅ!」 息を継ぐ暇も与えぬアテナ&リアナチームの追撃。 リアナの背負う大型砲、インフェルノキャノンから極太の電子ビームが発射された。 「ちょ、ま……」「避けてっ!」「ふにゃにゃっ!?」「くっ……」 どれが誰のものかも分からない叫びが、爆発にかき消される。 光と爆風の奔流がゼリスとワカナを飲み込んだ。 ▲BACK///NEXT▼ 戻る
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私にも敵が見える気がしたが別にそんなことはなかったZE☆ 「樹羽……」 「何、顔近いよ」 私は絵美ちゃんとのバトルに勝った。 華凛のことだから、てっきり抱きついたりしてくるかと思っていたら、なぜかすごい顔をしてこちらに迫ってきた。 「樹羽、今までまともに神姫バトルやったことないでしょ」 「ううん、ない」 「じゃあ、小さい頃に空手とか」 「幼稚園から小学一年まで合気道をy」 ガッと肩を捕まれる。 「なんであんなに手慣れてるのよ! ていうかレールアクションまで防ぎ切ったわよね!? どういうことなのよ! 訳言えわけぇぇぇぇっ!!」 ガクガクと揺さぶられ、まともに会話どころか呼吸まで危うい。 「華凛さん落ち着いて! 樹羽が死んじゃいますよ! 白眼剥きそうですよ!」 シリアの声が遠くに感じる。もう、だめかもしれない。 「はい、言いたくなる気持ちもわかりますが、まずは落ち着いてください。へたをすると本当に死にますよ?」 柏木さんに諭され、ようやく華凛は放してくれた。ちょっと首が痛い。 「で、説明してもらいましょうか?」 勝ったのに尋問されるってどういうことだろう。 「何に関して?」 「うん、まずはレールアクションをかわしたことについて」 イーアネイラの固有RAと、槍のレールアクションのことについてだろうか? 「……なんとなく」 「はぁっ!?」 「空気、というか気配みたいなもの」 「ありえない……神姫を始めてまだ数日の人がレールアクションをかわす。しかもなんとなくその場の空気で二回も……」 華凛が部屋の隅でぶつぶつと何か言っている。 「華凛?」 「……次の質問」 しばらくして、華凛がようやくこちらにやってくる。 「樹羽、仁さんと何回練習した?」 「数えてない。でも、一日に二桁はやった」 「まぁ、朝から晩まで文字通り神姫漬けでしたからねぇ」 柏木さんもうんうんと頷いている。 確かに、大抵神姫にライドして実践形式の練習で、疲れたら柏木さんに神姫の話を聞いたりしていたから、神姫漬けと言っても過言じゃない。 「だからって、あたし樹羽があそこまでアグレッシブに動けるとは思ってもみなかったわよ……神 姫に触れて少しは私以外の人とのコミュニケーションを学んでもらおうと思ってただけだったのに……何? とんでもない原石掘り出しちゃったのあたし?」 また華凛は隅でぶつぶつ言っている。 まぁ、華凛の目測は決して外れではなく、他人とのコミュニケーションは取れてきたと自負している。ただ、神姫バトルが思っていたより面白かったから、ついついのめり込んでしまっただけだ。 「華凛お姉ちゃん、なんでそんな隅にいるの?」 絵美ちゃんは心配そうに華凛に駆け寄る。 「うん……ちょっと理解しがたい問題があってね。それを理解するために時間がかかるの」 「??」 絵美ちゃんはまだよくわかっていないようだ。 「でも、そこまで神姫漬けだったなら……まぁ、百歩譲って理解できるか……」 華凛がふらふらとこちらに戻ってくる。 「でも、まだバーニアの制御はうまくいかない。落ち着けばなんとかなるけど」 空気が死んだ 「……仁さん、知ってた?」 「……いえ、さすがに知りませんでした」 「……??」 何かまずい事でも言っただろうか? なにやら2人とも部屋の隅に行ってしまった。 「樹羽、悪いけどもう一回言ってみてくれない?」 「だから、バーニアの制御はまだうまくいかないって……」 「すみません、僕は彼女を甘く見すぎていたようです……」 柏木さんがぐったりと椅子にもたれかかっている。 何故? 「バーニアの制御って、いつもアイラがしてくれるやつだよね?」 「……そうね、その通りよ」 アイラまでもが、筺体の上でぐったりしている。 何故? 「シリア、何か変?」 「さぁ……私にもよく分からないけど……」 「マスターが天然なら、神姫が天然ってことね……」 華凛はさっきにも増してぐったりしている。 何故? 「樹羽、バーニアの制御ってどうやってるの?」 「えっと、自分が行きたい方向を決めて、バーっと」 「無意識に緻密な計算ガン無視ってこと? 天然もここまでくると、呆れる通り越して感服するわ……」 「これは、磨けばとんでもない大物になりますよ……」 「??」 樹羽は『荒削りな原石』の称号を得た! 後から聞いた話だが、普通のバーニアの制御とは口で言うほど簡単ではないらしい。 まず噴射角度を決め、そこからバーニアを噴射する時間と強さを計算するんだとか。その計算は、やろうと思ってできないことはないが、近接戦闘中や、咄嗟の回避などの時にはとてもじゃないができない。 そこで、それを神姫にやってもらう訳だ。 神姫の演算システムがあれば、さっき挙げた場合でも対応できる。ただし、マスターとの息があってないと、その後が続かない。 他にも武器の取り出しや、火器管制なども神姫が――リアライド時にはマスターが担当する。 が、私の場合その計算を抜きにしてバーニアを動かしていた。 ライドしている時、神姫の体は人間の脳からでた電気信号を各部位に送って動かすという。人が右手を動かす時に右手に電気信号を送るが、その信号をそっくりそのまま神姫の右手に送るというわけだ。 つまり、私は普通にバーニア制御をしていたが、あれはすごいことだったらしい。レアスキルとかνタイプとか言われた。 第五話の2へ トップへ戻る
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○オリジナル武器(龍悪自作武器) ●メインウェポン ○ANGELUS専用 『GRADIUS』 系統:大光銃剣 重量:20 攻撃:0~∞ 命中/HIT数:0/1 射程:0~∞ 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:0~∞ ダウン:0~∞ スキル:[攻]MEGA CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:MEGA CRASHはその場に存在するものを全て消滅させる攻撃。 通常攻撃は近距離の場合は斬りつけ、遠距離は剣の先から螺旋模様線状レーザーのCYCLONE LASERを撃つ、中距離は使い主の意思のままにどっちかで攻撃する。 他にもリング拡散型レーザーのROPPLE LASER、連射型レーザーのTWIN LASER、波動砲型のENERGY LASERがある。 覚醒するとHYPERという名前がつきANGELUSとGRADIUSの性能が一気にパワーアップ。 人口知能が入っていて、性格はアンジェラスに的確な指示と気遣う優しい、女性の声で言葉は英語で語る。 実は武装神姫にも変形できます、ようするに擬人化ですよね。 擬人化した後、アンジェラスの支援をします。 容姿について、顔は小さく銀髪のツインテックにアホ毛が二本で目の色は赤。 性格はGRADIUSと同じです、といいますか、マンマ同一人物です。 この状態ではGRADIUSを使用する事は出来ません。 ただし、かなりGRADIUS自体がかなり強いので支援は期待できます。 翼は背中に六本生えていて、腰辺りに二本生えています。 最後に、GRADIUSはまだまだ未完成です。 更なるバージョンアップがあるでしょう。 剣版 擬人化版 (下の画像は、翼は限りなく結構動かせます) ○CRINALE専用 『ネメシス』 系統:重力剣 重量:∞ 攻撃:20000 命中/HIT数:100/4 射程:使用者の有視界 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:500 ダウン:500 スキル:[攻] GRAVITY CRASH 神姫侵食度:∞ 備考:GRAVITY CRASHは重力に因って無理矢理敵を自分の所まで引き寄せ、ある程度まで近づいてきたら攻撃し敵の内部で爆発させる攻撃。 通常攻撃はGRAVITYが敵に接触した時にその場で重力空間を発生させ、その重力空間は爆発する。 人間の目から見て殴った瞬間に爆発するように見える。 中距離は二次元の球を作りだしその穴に向かって銃類の武器で攻撃、その攻撃は敵を中心にして間合い半径1メートルから10メートルの間で360度ランダムで撃った攻撃が敵に向かっていく、GRAVITY HOLEというものがある。 人口知能が入っていて、性格はクリナーレにお調子者で少しチョッカイするが結構頼りになる、男性の声で言葉、日本語で語る。 ○LUNA専用 『沙羅曼蛇』 系統:火炎灼剣 重量:1 攻撃:10000 命中/HIT数:1000/444 射程:0~500 必要:- 準備:0 硬直:0 スタン:1000 ダウン:0 スキル:[攻] 沙羅曼蛇の舞 神姫侵食度:∞ 備考:沙羅曼蛇の舞は使用者の神姫の周りに炎渦が取り囲み、蛇のように突進し、敵を斬刻む攻撃。 通常攻撃はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 人口知能が入っていて、性格はルーナのいいなりでかなりの無口、でも時々喋る、男性の声で言葉は日本語で語る。 ○PARCA専用 『ライフフォース』 系統:光闇弓剣 重量:10 攻撃:15000 命中/HIT数:10000/4 射程:100~100000 必要:- 準備:300 硬直:0 スタン:900 ダウン:100 スキル:[攻] 光闇矢 神姫侵食度:∞ 備考:光闇矢は二つ種類がある。 光は敵を追尾し、しつこく追いかけるが威力は闇より低い攻撃。 闇は一直線に敵を貫く、光より威力が高い攻撃。 同時に光・闇の攻撃可能。 通常攻撃は普通にノーマルな弓で攻撃。 もしくは敵に近づいて攻撃。 人口知能が入っていて、性格はパルカに全てについて冷静沈着に言い感情がない、女性の声で言葉は日本語だが何故か片言。 ●サブウェポン ○ANGELUS専用 『OPTION』 系統:オプション 重量:0 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:∞ 機動:∞ 攻撃:0~∞ 命中:0~∞ 必要:- スキル:[追] OPTION SHOT 神姫侵食度:∞ 備考:OPTION SHOTは相手に物凄いスピードで体当たりする攻撃。 通常攻撃は神姫と同じ攻撃をする。 ラグビーボールみたいな形状で赤く光っていて数は四個。 装備している神姫の周りをクルクルと回ったり編隊したり神姫の後ろを蛇みたく追いかけたりする。 ○PARCA専用 『モアイラッシュ』 系統:オプション 重量:100 防御:1000 対ダウン:0~10000 対スタン:0 索敵:100 回避:0 機動:50 攻撃:5000 命中:50 必要:- スキル:[追]モアイラッシュ 神姫侵食度:∞ 備考:その名も通りにパルカの間合いにモアイが増殖し相手に体当たりや口からリングレーザーを放つ。 とてもやっかいなスキルである。 ●リアパーツ ○ANGELUS専用 『リアウイングM‐88対消滅エンジン』 系統:リア 重量:10 防御:0 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0~∞ 回避:0~∞ 機動:∞ 攻撃:0 命中:0~∞ 必要:- スキル:[移]SPEED UP 神姫侵食度:∞ 備考:SPEED UPは0~5速あって亜光速で好きな場所に移動する事が出来る。 因みにMAXの5速でスキルを使うとLNITIAL SPEEDとなり0速になる。 5速に近ければ回避・起動が上がり、0速に近ければ索敵・命中が上がる。 ○CRINALE専用 『DTリアユニットGRAVITY』 系統:リア 重量:200 防御:1000 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:-100 機動:-100 攻撃:100 命中:0~∞ 必要:- スキル:[防]GRAVITY FIELO 神姫侵食度:∞ 備考:形状はDTリアユニットplus+GA4アームと同格だが、違うのは中身。 GRAVITY FIELOはCRINALEを中心にして球状の重力空間を発生させる、この時のCRINALE状態はその場から動けないが攻撃は可能。 重力空間はありとあらゆる物を引き寄せたり、逆に引き離したり出来る。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動している時間が長ければ長い程、球状の重力空間が面積と体積が増加する。 CRINALEがGRAVITY FIELOを発動の終了をするとCRINALEは自由に動ける、更にGRAVITY FIELOはすぐに無くならず大きさによってラグが発生しその場で残るが時が経てば自然消滅する。 装着しているチーグルアームを駆動させ攻撃も可能。 ●アーマー ○ANGELUS専用 『FORCE FIELO』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の全体を青い光によって包み込み全方向からの攻撃を防ぎます。 アクセサリーのFREE SHIELDより防御力が弱い。 ○LUNA専用 『究極生命態システマイザー』 系統:バリアー&リカバリー 重量:0 防御:700 対ダウン:1000 対スタン:1000 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:[回] リカバリー 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の表面に究極生命態システマイザーが張り付き敵の攻撃を跳ね返したり、受けた傷を時間とともに完治していく。 ●アクセサリー ○ANGELUS専用 『FREE SHIELD』 系統:バリアー 重量:0 防御:0~∞ 対ダウン:0~∞ 対スタン:0~∞ 索敵:0 回避:0 機動:0 攻撃:0 命中:0 必要:- スキル:- 神姫侵食度:∞ 備考:神姫の周りに青い弐個の球体のシールドを何処にでも配置できる。 大きさは神姫の半分ぐらいの大きさ。 アーマーのFORCE FIELOより防御力が強い。 ●アイテム 『ストラヴァル』 系統:アイテム補充偵察戦闘機 重量:100 防御:100 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:100000 回避:100000 機動:100000 攻撃:1000 命中:1000 必要:- スキル:補充武器乱射 神姫侵食度:0 備考:補充武器乱射はストラヴァルに積まれている武器を乱射する事です、弾幕攻撃です。 通常攻撃はバルカン砲やミサイルです。 偵察機なので防御方面は弱い。 神姫を二人まで搭乗させる事が可能。 搭乗した神姫のHPは時間とともに回復。 色が地味なのは偵察戦闘機だから。 下の搭乗 上の搭乗 ●アイテム 『ストレガ』 系統:敵殲滅戦闘機 重量:1000000 防御:100000 対ダウン:0 対スタン:0 索敵:1000 回避:100000 機動:1000 攻撃:1000000 命中:1000000 必要:- スキル:? 神姫侵食度:0 備考:詳細は不明。 ただ解る事は武装神姫で作られた戦闘機である。 バージョンがいくつかあるらしく、これからも改良される可能性が高い。 ノーマルバージョン EXバージョン
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雨が降り注ぐ近代都市を、重武装の神姫が滑るように移動していた。 その神姫は背中のブースターを全開にし、その巨躯からは想像もつかないほどの速度でビルの谷間を翔ける。 その姿は・・・神姫と言うよりは・・・・一体の機動兵器の様だった。 「・・・・・・・・目標確認、破壊、する」 機動兵器の彼女は小声でそう呟く。元々声の大きい方ではないからだ。 『うん。なかなか調子がいいじゃないか。ブレードよりもこう言う兵器系に向いてしまったのはなんとも皮肉なもんだが・・・・まぁいいか。それよりもノワール』 「なに」 『今日一日の感想はどうだい?』 「・・・・・それを・・・どうして・・・・聞くの?」 ノワールはそういいながらビルの陰から現れたターゲットを破壊する。 右手のライフルの残弾は・・・・残り僅か。 『どうしても何も、ハウはもう寝てるしサラに聞くわけにもいくまい。私達が見たのは暗闇で何か話していた二人だけだ』 「・・・・・・・・・・・」 彼女の主の言葉を無視しマグチェンジ。 その間も左手に装備したライフルは火を吹き続けている。 『おぉっと。わからないという返答はなしだよ? 具体的な意見を聞くまでは、このトライアルは終わらないし終わってもその武装は使わせてあげませんからね?』 多分、クレイドルで寝ている自分の傍にはニヤニヤ笑った主がいるのだろう。ノワールはそう思った。 意地が悪い。 「・・・・多分・・・二人・・・好き合った・・・・でも・・・・」 ・・・・でも、なんだろう? 何か違うような、そうでないような。そんな感じがする。 『・・・・ふむ。つまり微妙な状態なわけだな』 とうとう右手のライフルの残弾がなくなった。 ノワールはライフルを捨てると、左手のライフルを右手に持ち返る。 そのまま空いた左腕で、近くまで来ていたターゲットを殴った。ターゲットはよろめき、その隙にライフルで止めを刺す。 それと同時にアラームが鳴り響き、ノルマをクリアした事を知らせた。 『ん? 随分と早いな。もう二百体倒したのか。・・・・・AC武装は物凄い相性がいいな。メインこれで行こうか』 「ヤー、マイスター」 * クラブハンド・フォートブラッグ * 第十九話 『出現、白衣のお姉さま』 「ちょっと! 何で起こしてくれなかったのよ!! 遅刻確定じゃない!!」 「そうは言われましても。何度も起こしたのですが・・・・まさかハバネロが効かないくらいに眠りが深いとは」 「どおりで口の中がひりひりするわけね! 毎度の事ながらあんたには手加減って言葉が無いの!?」 「――――――わたしは相手に対し手加減はしない。それが相手に対する礼儀と言うものなのです」 「無駄に格好いい!? あんたいつからそんなハードボイルドになったの!?」 「時の流れは速い・・・というわけでハルナ。わたしと話すより急いだ方がいいのでは?」 「あんたに正論言われるとムカつくのはなぜかしらね・・・・?」 朝、目が覚めたときにはもう八時を過ぎていた。 普段私を起こすのはサラの役目だけどさ。流石にこういうときは起こしに来てよお母さん・・・・・・。 大急ぎで制服に袖を通し、スカートのファスナーを上げる。 筆箱は・・・あぁもう!! 「何か学校行くのがだるくなってきた・・・・休もうかしら」 私がそういうと、サラが驚いた顔で見つめてきた。 え、なに? 「・・・・珍しいですね。普段なら遅刻してでも行ってたのに。と言うか無遅刻無欠席じゃないですか。行ったほうがいいのでは?」 「ん・・・でも何か面倒になっちゃってね。・・・別にいいじゃない。たまには無断欠席も。それに・・・・・」 学校には、八谷がいる。 昨日の今日でどんな顔をしたらいいのか判らない。 お互いにはっきり言葉にしなかったとはいえ・・・・OKしちゃったわけだし。 「うん、決めた。今日はサボる。サボって神姫センター行って遊びましょう!」 「・・・・・まぁ、別にいいですけれども」 そうして辿り着いた神姫センターには、当たり前と言うかなんと言うかあんまり人がいなかった。 まぁ月曜日だし午前中だし。来ているのは自営業さんか私みたいなサボり位だろうけど。 それでも高校生と思しき集団がバトルしてたのは驚いた。まぁ多分同類だと思うけど。 ・・・・でも強いな。あのアイゼンとか言うストラーフ。 砂漠なら・・・勝てる、かも? 「それにしてもなんだか新鮮ですね。人が少ない神姫センターというのも」 「平日はこんなものじゃない? 仕事や学校あるし。・・・・あぁでも最近は神姫預かる仕事も出来たんだっけ」 「そんな職業があるのですか。なんと言うか、実にスキマ産業的な・・・・所でハルナ、わたしは武装コーナーを見たいです」 私はサラの言葉に苦笑しながらも、センターに設けられた一角に向かって歩き出す。 このセンターは武装やら神姫本体やら色々揃ってたりするので結構お気に入りだ。筐体もリアルバトル用とVRバトル用の二種類を完備してるし。 とりあえず売り場についた私はサラを机に乗せ、商品を自由に見せて回る。・・・・買うつもりは無いのよ。 そうこうしているとサラが一挺の拳銃のカタログを持ってきた。 「ハルナ、このハンドガンなんてどうでしょうか」 「・・・いや、そういうの良く判らないんだけど」 「なんと!! ハルナはこの芸術品を知らないと!? このマウザーは世界初にして世界最古のオートマティックハンドガンなのです。マガジンをグリップ内部ではなく機関部の前方に配置しているのが特徴でグリップはその特徴的な形から『箒の柄』の異名で呼ばれています。かつては禿鷹と呼ばれた賞金稼ぎ、リリィ・サルバターナや白い天使と呼ばれたアンリが使用した銃として有名ですね。さらにこの銃、グリップパネル以外にネジを一本も使用しないというパズルのような計算しつくされた構造を持っておりこの無骨な中に存在するたおやかな美しさが今もマニアの心を魅了し続けて ―――――――――――」 「あ、この服可愛いー。でもレディアントはサラに合わないかな」 「ひ、人の話を聞いていないッ!? そして何故ハルナではなくこのわたしがこんなに悔しいのですかっ!?」 ふふん。ささやかな復讐なのよ。 「でもさ、だったらそんなへんてこな銃じゃなくてこっちの馬鹿でかい方が強いんじゃないの?」 「ぬ・・・わたしのツッコミを無視して話の流を戻すとは。いつの間にそんな高等技術を・・・・それはともかく、確かに威力が多きければ強いと言えなくもないですね。でもそのM500は対人・対神姫用としては明らかにオーバーパワーです。リボルバーですから装弾数も期待できませんし」 「ふぅん。数ばらまけないのはきついわね」 威力だけじゃ勝てないってことか。 サラのマニアックな説明はそもそも理解する気が無いけれど、戦闘に関してはさすが武装神姫。私よりも知識が多い。 ・・・うん、この後バトルでもしてみようかしら。 どうせ暇だし、作戦を立てたり実力を図る意味でもバトルはしたいし。 「ねぇサラ。この後さ ――――――」 「ん? こんなところで何をやってるんだお前」 と、サラに話しかけようとしたら逆に後ろから誰かに話かけられた。 振り向くと・・・・そこにはなぜか白衣を着たお姉ちゃんが立っていた。胸ポケットにはノワールちゃんだけが入っている。 「え、何で白衣?」 「第一声がそれかね。これはバイトの仕事着だよ。それよりもお前、何でこんなとこいるんだ? サボりか」 「え、えと・・・・それはですね・・・なんと言うか」 まずいことになった。 そういえばここら辺はお姉ちゃんのテリトリーだったっけ。 ここで見つかってお母さんに告げ口されたら・・・・! 「ん・・・あぁ別に怒ってるわけじゃないんだよ。サボりなら私もよくやったさ。仲のいい三人組で遊びまわったもんだ」 そういってお姉ちゃんは笑った。 よかった。告げ口されたらどうしようかと。 「そっか・・・・そういえばハウちゃんはどうしたの? ノワールちゃんだけだけど」 「アイツは定期健診。今神姫用医務室にいるよ。それよりも、暇だったら一戦やらないか? 今バイトの方も暇だしな」 お姉ちゃんはサラの方をチラリと見ながらそう言った。 サラがどうかしなのだろうか。 「うん、いいよ。それじゃ筐体の方へいこう。・・・サラ、おいで」 「承知です」 断る理由の無い私達はお姉ちゃんの誘いに乗った。 戻る進む